飲酒歴40年、断酒歴5年と2か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。
本日もリスボンの、今日はかなり専門ネタです・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
僕はジャズ・ピアニストであり、ジャズ・ヴォーカリストです。
音楽活動によって生活が成り立っているわけではないので、
生計の糧という観点から言えば、プロとは言えません。
しかし、僕自身の根本的なアイデンティティーという観点からは、
誰が何と言おうと、僕の顔の一つは、
それも今の僕にとって一番大事な顔は、
ミュージシャンとしての顔です。
新たな仲間と出会えたことで、また活動の幅を広げることができそうですが、
新型ウィルスパンデミックのぶり返しにより、また活動に妨げも出てきそうです。
しかし社会状況がどうあろうとも、
僕は常にミュージシャンとしての僕を鍛え続けなければなりません。
最近、ジャズ・ピアニストとしての練習方法に、
一つのヒントを見つけることができました。
少し専門的になりますが、報告します。
ジャズの音楽としての一番重要な特徴は、
集団的な即興演奏にあります。
もちろん、即興が音楽的なアンサンブルを形成するためには、
演奏者が守るべきいくつかのルールがあります。
ジャズ・プレイヤーの技量の一つは、
アンサンブルを担保してくれるルールを守りつつ、いかにそこから新しい可能性を引き出すか、
ルールを守りながら、同時にいかにしてルールを破壊し、新たに構築していくか、
といったところにあります。
もっとも耳になじみやすいジャズ演奏でルールの基本となるのは、
曲の和音進行です。
プレイヤーは曲の和音進行に従いながら、即興演奏を展開することになります。
そして最近分かったことなのですが、
即興演奏を組み立てる際に、個々の和音も大事なのですが、
和音と和音のつなぎ目にこそ、新しい曲想の源泉があり、
つなぎ目の上にどのようなメロディーを組み立てていくかということが、
とても有効なのです。
多くのジャズのレパートリーでは、
一つの小節に一つの和音が割り当てられることが多く、
練習も小節単位に考えがちになりますが、
このところの僕は、
小節と小節のつなぎ目に注目し、
そこにいかにかっちょえぇ音の進行を当て込むことができるかを考えるようになりました。
ちょっとした目のずらし方ですが、
これはかなり面白い練習方法になりました。
特にジャズミュージシャンの間でコルトレーン・チェンジと呼ばれる和音進行を多用した曲では、
これまでちょっと気がつかなかったような面白いメロディーラインを紡ぎだすことができます。
おかしな譬えかもしれませんが、
石垣を組み立てるときに、個々の石に注目するのではなく、
石と石のすき間に気持ちを集中させるような感覚でしょうか。
カッコつけていえば、
コトの実体よりも、コトの関係性に注目するような方法かもしれません。
明日は多分、一日、雨が降りそうですので、
仕事とピアノの練習に明け暮れることになりますが、
ワクワクと60の手習いに精出すことにします。
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで、
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。