僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

入院話 1日の過ごし方

人恋しいくせに人嫌いのふりをするめんどくせーアル症男、リスボン、58歳。肝硬変とも友達です。

本日もリスボンの、めんどくせー・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

今日も入院話です。

今回の僕の入院、昨年とは異なり、当座の緊急性はそれほど高くありません。
はっきり言って、しんどいわけでも苦しいわけでもないのに、病院から出られない、生殺し幽閉状態です。

当然、むちゃくちゃ、暇です。
体力はありますが、発散のしようがありません。
気を紛らわすにしても、アイテムは限られます。

何度か書いてきましたが、スマホをもたない身にとっての入院生活は、ネットからの遮断を意味していました。
テレビもありますが、しかし今回の入院でわかったのですが、
わざわざ金を払ってまで見たいというコンテンツは、日本のテレビ放送では少ないですね。

で、読書か音楽かということになります。

音楽に関して今回は、愛用のiPodと、CDボックスセットを2巻、計21枚のCDを持ち込みました。
一つはグスタヴ・レオンハルトによるバロック音楽集、もう一つはサイモン・プレストンによるバッハ・オルガン音楽集です。
しかしイヤフォンで音楽を聴き続けるというのも、結構な苦行ですね。

で、自然と余暇活動の中心は(っていうか1日じゅう余暇ですが)読書ということになります。

今回、最初は同僚の勧めもあり、仕事関係の図書は持ち込みませんでした。
小説や気楽なノンフィクション、それも、文庫本の体裁のものを中心に持ち込みました。

小説、文体や話のリズム感覚が合えばいいのですが、
ありますよね、なんか読み進みにくいお話。
今回も、何冊かは最初の数ページで、こりゃ合わんわ、というやつでした。

あと病棟のラウンジのようなところにマンガや雑誌もあったのですが、これもやがては飽きが来ます。

そして、内視鏡による施術が3回目に及ぶことが確定した時、
すなわち、もう1週間と少しは入院しなければならなくなったとき、
もうブチ切れそうになりました。

外出が許可された際に、ついに仕事場から禁断のお仕事図書を持ち込んだのです。
以前、読みかけていた、知的障害の哲学的な意味を読み解こうという、
アメリカの気鋭の研究者の1冊、結局、こいつにかかりきりになることにしました。

最後の1週間とちょいは、
朝食、洗顔、血圧体温の計測等が終わると病棟の4階にある共同のラウンジに向かいます。
こはちょうど机の高さのテーブルがいくつかあり、
ノートを広げながら本を読むのに最適な環境でした。
午前9時過ぎから11時まで、ラウンジで勉強、
午後1時過ぎから4時までラウンジで勉強、
というのが日課になりました。

やっぱり研究に関する文献を読んでいると、なんか自分の社会内の位置付けが確認できるような気がして、
安心できます。

せっかくの入院なんだからのんびりすればいいのに、とも思いますが、
根っからの貧乏症なんでしょうね、きっと。

そして僕が活字依存症であることも思い知らされました。

もう、死ぬまで読書します、はい。

僕は本を読みます、皆さんはそれぞれに、心にいいことをしましょう。そんなんで
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。