僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

残酷さの裏には

金はないがアル症です、住宅ローン以外の借金はないが肝硬変です、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、屁理屈・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


1月から2月にかけて食道静脈瘤切除のために入院していたころは、僕の家の周りは雪だらけでした。

たまに外出許可が出て自宅に戻るときも、車が雪でスタックしないように、
いくつかのドライビングテクニックを駆使して慎重に運転してました。

でも今同じ道を走っていると、まったくあの頃の恐怖感や不安がよみがえってきません。


だいぶ以前のことになりますが、若さの秘めている残酷さについて書きました。
若さは、やがて当然のごとくやってくる老いのことを全く意識せずに、若さを謳歌します。

老人はしかしその残酷さに恐怖を抱くどころか、目を細めて見守ってしまいます。

どうやら僕たちは、忘れるのことの得意な生き物のようです。

辛かったことは忘れやすいみたいです。

辛かったにもかかわらず時間がたつと、良い思い出に変わったりもします。

旅行中はたいがい、次はどうしよう、足が疲れてきた、ここらで一休みしたいがぼったくられたらどうしよう、
などと様々な心配や不安の中で行動しており、決して楽ではなかったはずです。

ところが旅を終えてしばらくすると、あのつらかった瞬間が懐かしくなってくるんですね。

過去を忘れる残酷さ、そして未来を恐れない残酷さ。

僕たちはこの二つの残酷さをうちにもっているからこそ、生きていけるのかもしれませんね。

でも、アル症で家族にかけた迷惑を忘れてはだめです、おそらく。

時に(特に自分に対して)残酷になって過去を振り返る必要があるでしょう。
恐れず振り返りましょう、そして

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。