飲酒歴40年、断酒歴3年と2か月、不良初期高齢者、リスボン、60歳。
本日もリスボンの、少し仕事自慢・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
大学で教える仕事についていますので、
よく、ご専門は何ですか、というお尋ねを頂戴します。
殆どの大学の先生は自分自身の専門分野について、
広く社会的に流通している言葉で表現することができます。
例えば、広めにいうと、
「工学です」とか、「法学」ですとか、「医学」をとか。
少し専門性を高めると、
「流体力学を少し」とか、「日本国憲法です」とか、「臨床内科」ですとか。
でも僕の場合、こんな風にあっさりと答えられません。
あえて一番短く答えるならば、
「障害学と芸術学を結び付けようと考えています」てな答えになります。
ただし、この答えも僕にとって都合があまりよくないのは、
僕が大学で担当している講義の内容とは直接結びつかないからなんです。
「社会福祉です」という答え方もありますが、
厳密には不適切です。
かといって「現代美術論です」とも言い切れません。
また日を改めてこんなめんどくせぇことになった事情はお話しさせてください。
で、今日の報告です。
今日は昨年の4月から月一で担当させてもらっている、
とある知的障害者の施設でのアート活動の指導の日でした。
僕が関わる施設の利用者は、
重度の知的障害と暮らしている人が圧倒的に多いです。
今日の施設もそうで、
僕と一緒にものつくり遊びに参加している仲間の半数は、
言葉も獲得していません。
言葉があったとしても、
知能年齢という言い方では、
幼児レベルを超えてはいません。
でもこの人たちと何かをするというのは、
とんでもなく楽しいんです。
もちろん、こういう友人たちの、日常生活や社会生活の支援や指導は大変ですよ。
でも僕が関わらせてもらっている芸術活動の文脈では、
この人たちとの共同活動はホンマに楽しいものです。
今日は、この一年間に作ったものを施設内に展示するための作業を行いました。
紙製の米袋で作った大きな人形にテグスを通し、
室内の梁や柱に括り付けるという作業です。
実施する前はとても不安でした。
まずテグスを扱うことができるかどうか。
そしてテグスを作品に固定することができるかどうか、
さらには結び目をしっかり作ることができるかどうか。
でも杞憂でした。
僕たち、平均者の心配をよそに、
僕たちの仲間たちは、
僕の真似をしながら嬉々として作業に取り掛かってくれました。
もちろん、
うまい下手はありますよ、
それからどうしてもテグスを細かい穴に通すことができない仲間もいます。
でもうまくできたかどうか、
あるいは、できたかどうか、なんていうのは、
全然、どうでもいいことです。
みんなが興味をもって取り組んでくれたかどうか、
好奇心で目を輝かせてくれたかどうか。
それが一番大事です。
ホンマに僕の杞憂は杞憂でした。
僕の仕事がとてもラッキーなのは、
こんな幸せな瞬間に頻繁に出会えることです。
僕の仕事は、お金儲けには全くつながりません。
社会的な名声とも殆ど縁がありません。
でも、誰にも譲りたくない、
僕だけの?スペシャルな仕事です。
厚かましく長生きをして、
厚かましくうれしさを感じ続けます。
悪いやつです、僕は。
悪いやつがいつものようにほざきます。
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。