飲酒歴40年、断酒歴3年と5か月、不良初期高齢者、リスボン、60歳。
本日もリスボンの、名づけは大事です・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
以前にも何回か書きましたが、
皆さんは僕たちの疾病をカミングアウトする時に、
どんな名称を用いていますか。
アル中ですと名乗る人は、
多分、かなり少ないでしょうね。
アル中という名称、
恐らく、相当長い間使われていた呼び方だと思います。
アルコール中毒というのが、医療的に正式の疾病名かどうかは知りません。
ただこのアルコール中毒という呼び方、
いくつかの問題点があります。
まず急性アルコール中毒と混同されてしまう惧れがあること。
急性アルコール中毒は、
多分、急激に大量のアルコールを摂取することによって、
心身のどちらか、あるいは両者が異常な事態を引き起こすことでしょう。
一時的な症状として対症療法的な対応で回復することもあるでしょうが、
死に至ってしまうこともあるようです。
次にアルコール中毒という呼称の問題点、
酒乱と混同されてしまう場合が少なくない点があります。
この誤解の可能性は少しばかり面倒です。
こちらが依存症、ないしは使用障害のつもりで、
しかし、より一般に知られているアル中という名称を用いた場合、
相手の当方に対する人物評価が絶望的に下がることがあります。
依存症のつもりでアル中といったつもりが、
相手方はどうしようもない酒乱人間と理解するからです。
アル中という呼称、
主にはこの二つの理由で用いられなくなりつつあると思われます。
恐らく今では依存症という呼称が一番、一般性が高いでしょう。
アルコール依存症という呼称は、
精神疾患としてのイメージもあり、
僕たちにとっても使いやすい言い方かもしれません。
しかし、今日、ふと考えました。
僕たちはアルコールに依存しているのでしょうか。
少なくとも、断酒ライフ継続中の現在の僕は、
アルコールに依存していません。
飲みさえしなければアルコールを必要とすることも、
渇望することもないのです。
したがってこのアルコール依存症という呼称も、
僕たちの精神疾患の名称としては不適格のように思います。
今のところは、使用障害という呼称が最も正確かと思います。
なぜ僕たちがアルコール使用障害かというと、
ひとたび、誤って、たとえ少量でもアルコールを口にしてしまうと、
その後は、適度に飲酒し、適度なところで飲酒をやめるということができなくなる、
それが僕たちの病気の正体です。
つまり僕たちは、
アルコールを適切に使用することができないのです。
ひとたびアルコール分を体内に摂取した僕たちは、
心か身体のどちらかが悲鳴を上げるまで、飲み続けます。
たとえその時の飲酒が反社会的な行為として理解されても、飲み続けます。
周囲にいる人の視線を一応は気にかけながらも、
必要とあれば、隠れながら、あるいは隠しながら、飲み続けます。
薬物使用障害も、それぞれの薬物の性質の違いもあり、
多様です。
覚醒剤のように一発で使用障害が形成される、強烈なものもあれば、
アルコールのように使用障害形成までの期間の個人差が大きいものもあります。
しかしどのような薬物であれ、薬物使用障害は、
当該の薬物さえ摂取しなければ、
問題のない生活を送ることができるのです。
やっぱり僕たちの道は一本でした。
ということで、
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。