飲酒歴40年、断酒歴4年と5か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。
本日もリスボンの、今日も音楽ネタ・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
ローカル・ジャズ・ピアニスト、そしてヴォーカリストである僕の音楽ルーツは、
意外にも?しっかりとクラシック音楽です。
小学生のころからリコーダーが大好きで、
中学、高校と吹奏楽部で、楽譜をしっかりと読み込んで演奏する基礎を学び、
それと同時に、独学ですが、ピアノも始めました。
また和声学や対位法といったクラシックの作曲技法についても勉強しました。
高校2年生くらいからフォークやロック、
そして大学生になってから本格的にジャズをプレイし始めましたが、
でも、クラシック修行で身につけた、
楽譜を読みこみ、アナリーゼを行い、
正確な音程とリズム、そして美しい音色を大事にする感覚は、
忘れずにもち続けました。
さすがにミュージシャン人生、50年近くになりますと、
クラシック音楽の方法論を大事にしつつ、
世界中の様ざまな音楽表現の語法を尊重する姿勢も身につきました。
そもそもジャズの演奏においては、
五線紙では表現しきれない音程やリズムの微妙なずれが魅力の根本をなしています。
そのあたりをバランスよく受け入れるためには、
少しばかり、スパイスの効いた人生経験が必要だったようです。
そしてボサノバです。
クラシックの専門家にとってジャズは不思議のかたまりですが、
僕たち、ジャズミュージシャンにとってボサノバは、
さらなる不思議ちゃん音楽です。
むきになって頑張ることをあえて避けることによってはじめて可能な、
無重力的な音楽力学。
音程の緊張感や梁の効いた声質もあまり表に出さないことによる、
宇宙的な、でも子宮の中にいるかのような解放感。
脱力系なぞという安っぽい形容詞でくくりたくはない、
自由と規律の矛盾に満ちた同居。
ようやく最近、ボサノバの名曲、
「イパネマの娘」を歌いこなせるようになってきたような気がします。
僕は声を張っておかないと音程が定まらないタイプのヴォーカリストだったのですが、
ここ2年間くらいのエクササイズによって、
割と楽な感じで、ボサノバ特有のややこしい音程が歌えるようになってきました。
でもあの、正確そうに聴こえて、
でもどこかで外しながら、でも必ず戻ってくるビート感は、
まだまだ謎のままです。
いつかこの感覚を知るために、
ボサの本場、リオ・デジャネイロに行かなければならないかな。
でも地球の反対側だしねぇ。
いつか叶うでしょう、生き続けていれば。
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。