僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

あれから19年

飲酒歴40年、断酒歴4年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル61。

本日もリスボンの、僕のターニングポイント?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

September 11th., 2001.

2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件から今日で19年。

あの事件は僕にとっても人生のターニングポイントになりました。

 

あの頃の僕は、勤務先でほぼ、孤立していました。

その2年前に勤務先に少なからぬ迷惑をかける事案の当事者となり、

停職3か月という処分を受けました。

多くの場合、このような処分が降りる際には、

処分が正式に発効する前に、当事者が依願退職という形を取ることが多いようですが、

僕は処分を受ける道を選びました。

復職して数年間は、

大学の公の顔に関わるような業務からは完全に排除され、

反省と立ち直りに向けての努力を明示することを求められる、

暗黙の圧力のもとに置かれていました。

そんな中で、信じられない事件が起きてました。

 

September 11th. に対する僕の正直な感想。

多くの若者が自らの命のみならず、

計り知れない他者の命をも亡きものにする恐ろしい企てに望んで加わるほど、

アメリカは憎まれていたんだ!

 

僕は不思議と、

オサマ・ビン・ラディンやアル・カエダに対する恐怖や憎しみの感覚はもたず、

アメリカという強大な装置が世界を歪ませていたことに関心をもちました。

 

そして、"How Did It Happen?" という、

ジャーナリストや政治学者が書いた書物に出会い、

アラブ文化、あるいはイスラム文化に関心をもつようになりました。

この本の中に、アメリカで活動する、イスラム学者が書いた論文があり、

その中で、この事件の本質の一端が、

イスラムとクリスチャンの近親憎悪にあることが説かれていたからです。

 

アラビア語イスラムについて勉強をしていく中で、

どんな分野であれ、王道に縛られることの危うさを学びました。

僕たちは基本的には西欧的な思想環境の中で暮らしていますが、

そのような思想環境においては、

キリスト教的な価値観が潜在的に支配的な役割を果たすことを知り、

多数による支配は、少数の主張を圧殺してしまう危険性があることも知りました。

 

社会の王道勢力にはなり得ない、マイノリティーについて、

共感的な視点から調べていくこと、

このことに気がついたのが、この干されていた時期だったように思います。

 

そして僕の研究は、芸術学と障害学を結びつけること、

そのような研究成果を、障害者福祉の現場で生かすこと、

そして学生たちにも、

いろいろなタイプの、決して少数ではない、

でも少数者として周辺化されている人びとに

まなざしを向けることの意義と意味を説くようになりました。

 

そんな中で僕の過剰な飲酒は深刻化の度合いを深め、

2016年初頭、肝硬変の診断が下され、

40日間の入院生活の後、アルコール外来を受診し、

アルコール使用障害当事者としての認定を受けました。

僕自身が明らかに少数者のひとりにカウントされることになりました。

 

そして順調な断酒ライフの継続の中、

僕の周囲にもいたアルコール使用障害者について考えていく中で、

在日コリアンディアスポラという、

自分自身のアイデンティティーに新たに気がつきました。

 

メインストリームから遠ざかること、

そしてその中に積極的な意味を見出すこと、

僕の人生の目的が明らかになりつつあります。

そしてその原点が、September 11th. だったような気がします。

 

前科もちの大学教師、

アルコール使用障害者、

そして在日コリアンディアスポラ

しかし明るく積極的にマイノリティーの文化を探求し、

自らの表現活動にもベテランとは思えない素朴さで楽しむ男。

どうやらそんなところが、僕の正体らしいです。

 

まだまだ人生半ば。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。