僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

四部屋を駆使して

飲酒歴40年、断酒歴5年と3カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。

本日もリスボンの、デジタル文化がなんぼのモンじゃい!ノープランブログ、

ご訪問ありがとうございます。

 

今日は僕の昭和な教師ぶりをご披露します。

 

今日の僕の担当する授業は、

英語講読の演習科目、

リーダーとも呼ばれる、英文のテキストを辞書を片手に一生懸命読むクラスです。

 

日本の英語教育は、リーディングとグラマーばかりやっているから、

ちゃんとした英語の使い手が育たないという批判がありますが、

そんな批判を口にし、

読み書きよりもリスニングとスピーキングに力を入れるべきだと主張する方の殆どが、

実際には英語を使えないのが実情です。

 

ホンマに使える英語力を獲得するためには、

文法的な感覚を身につける必要があり、

そしてそのために講読という学習が最も近道なのです。

僕自身も、研究活動の必要上から洋書を読むようになりましたが、

その過程でオーラルコミュニケーション力という副産物ももらっちゃいました。

 

そういうわけで、一見、古臭く見える方法で、英語学習を指導しています。

 

そしてそのような授業展開にとって最も頼りになるツールが、

黒板とチョークなのです。

黒板にテキストを写し、いろいろな記号を駆使しながら、構文を解説していく。

書いては消し、書いては消しを繰り返し、

チョークまみれになります。

コンピューターとディスプレイの組み合わせでは、

語学学習に最も必要な素養としての即興力が生かせません。

 

そして僕が解説する前に、学生諸嬢に黒板に書き込ませるようにしています。

できる限り、黒板をダイナミックに使いたいので、

ちょっとばかり贅沢なことをしています。

 

以前にも報告しましたように、

僕の勤務する大学では、

リモート授業と対面授業の両者を展開していますが、

リモート授業があることによって、教室が潤沢に無駄遣い(笑)できます。

今日のクラスでは、全部で四つの教室を使いまして、

つまり四面の黒板を駆使して授業を展開しています。

 

授業前に、あらかじめ、今日の授業で解説する予定のテキストを、

四つの教室のそれぞれの黒板に書き写しておき、

学生を4グループに分けて、それぞれの教室の黒板に構文分析を行わせます。

そして各グループの構文分析表示が終了した時点で、

一つひとつの教室を全員で巡りながら、

僕が解説を加えていきます。

 

ムチャクチャ、アナクロい方法だと思いますが、

でも、ムチャクチャ、贅沢なやり方だとも思いますし、

そして一番、どんくさく見えますが、

はっきり断言しましょう、

一番、効率的なやり方です。

 

多分、僕の方法は、誰にも看取られることはないでしょう。

でも、学生諸嬢たちの記憶には、絶対残ると思います。

すでに21世紀生まれの学生が半数近くを占めるようになってきていますが、

20世紀の毒を振り散らかし続けようと思っています。

 

ジジィはそう簡単には死なん!

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで、

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。