僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

「彼」の方が正しかったのかも

飲酒歴40年、断酒歴5年と5カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。

本日もリスボンの、極論といえば極論ですが・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

 なぜか朝のおばワンチャマとのウォーキング中に、

ある男性の言葉を思い出しました。

 

リスボンさん、酒は体に悪いからやめた方がいいですよ」

 

その男性は、僕が大学の非常勤講師とピアニストを兼業しながら食いつないでいた時代に、

非常勤先の大学の一つに勤務していた、イタリア美術史を専門とする教師でした。

 

彼はなぜか唐突に、僕に酒をやめることを忠告してきました。

 

僕がそれ以前に、酒で何かの失敗をしていたり、

身体を壊していたとすれば、

彼の忠告は、割と当たり前のものでしょう。

 

あるいは、彼自身が酒でとんでもない苦労をした経験があり、

少しだけ若輩の僕に対するアドバイスとして語ったとすれば、

これもそれほど不思議な発言ではありません。

 

しかしその頃の僕は、

大酒飲みではありましたが、問題飲酒を起こすことは全くなく、

健康状態にも問題はありませんでした。

そして彼は、イタリア留学の経験がありながらも、全く酒を飲まない人物でした。

 

そんな彼が、ちょっとした世間話として飲酒のことが話題になった時に、

真剣な顔で「酒は体に悪いからやめるべきである」ことを進めてきたのです。

 

陽気で社交的な人物でしたが、

今思えば、少しだけ自閉症的な偏ったこだわりを持っていたようにも思います。

 

彼の真剣な忠告に対して、元気いっぱいの大酒飲みであった僕は、

色を成して反論することはありませんでしたが、

内心では、何をゆうとんネン、このオッサン、と反発していました。

酒飲まへんあんたに言われる筋合いはないわ。

ほっといてちょうだい。

 

でも、あれから30年が経過し、肝硬変を患い、使用障害に陥った今、

僕には彼の言葉を否定することはできません。

 

彼の言葉を素直に受け取ることができなかったあの時の僕は、

もうすでに使用障害に陥っていたんでしょうか。

それとも、真っ当な忠告すらも拒否する感性を育んでしまう、

これこそが、アルコール飲料の毒性の本質なのでしょうか。

 

僕と同じく、若かった彼の若い忠告は、

若い(未熟な)僕には響きませんでしたが、

生まれ変わった僕には響き始めています。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで、

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。