僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

靖国参拝と恒久平和への思いという矛盾

飲酒歴40年、断酒歴5年と6カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。

本日もリスボンの、お国のための戦争なんてあり得ない!ノープラン・ブログ、

ご訪問ありがとうございます。

 

先の大戦でお国のために尊い命をささげた御霊に尊崇の念をお捧げする」、

靖国神社を参拝した閣僚が抜かす、決まり文句です。

このセリフは、とてつもなくバカで、そしてとんでもなく卑怯です。

 

まず、「尊い命をささげた御霊に」というフレーズによって、

靖国参拝の根本的動機が、

個人から個人への思いに基づくものだという書き換えが行われます。

 

そして「お国のために」というフレーズによって、

先の大戦」の意味が正当化され、

さらにその戦争のために、

正常な判断力を奪われて不慮の死を遂げてしまった人たちの無念の念が、

意味の変換を受けてしまっています。

 

この論理性を無視した強制的な意味の書き換えは、

卑怯ですらあります。

 

そして参拝した閣僚の多くは、

この矛盾と卑劣さに満ちたコメントに続けて、

恒久平和への願いを込めてという、

さらに矛盾と卑劣さを上塗りするフレーズを続けることにって、

自らの行為を正当化しながら、しかし結果として己の不明と卑劣さを明らかにします。

 

満州事変に始まる大日本帝国の悪辣極まりない侵略戦争は、

現在の中国が行っている人権抑圧以上に悪辣なものであり、

その残虐性はイスラム国やボコハラムの比ではないかもしれないことを、

歴史研究は明らかにしつつあります。

 

学術研究をないがしろにする国は、必ず滅びます。

そして今、この国がその過程の真っただ中にあることは、

今回のパンデミックに対する政府の対応にみられる、

科学的な知見の軽視に明らかに表れています。

 

断酒ライフを送る同士の皆さん、

明瞭な頭脳を保持しながら生き延びましょう。

この国が変わるためにも、僕たちは死んではなりません。

 

2021年8月15日 世界市民の一人、そして断酒ブロガー リスボン