僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ソナチネの発見

飲酒歴40年、断酒歴6年、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、今日も63の手習い・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

昨日、ドラムを叩きすぎましたので、

今日はしっかりとピアノを弾き込みました。

 

ここ1年くらいの僕のピアノ練習のメニューですが、

まず、最初にハノンという、基本練習を20分ほど行います。

 

そして次に、少しばかりコード進行が複雑なジャズ・チューンを楽譜を見ないで練習します。

この楽譜を見ないというのが、非常に大事なポイントです。

 

ジャズの醍醐味は何といってもアドリブ、即興演奏にあるのですが、

楽譜を確認しながら演奏するということは、

楽譜に示されたコード進行を追っかけることに意識が行ってしまい、

内発的なメロディーやリズムを創造することがおろそかになってしまう可能性が高いのです。

 

僕が暗譜での演奏を心がけているのは、

基本的なメロディーやコード進行を完全に理解することによってこそ、

ジャズの音楽としての芸術性に近づくことができるからだと考えているからです。

 

暗譜での練習の次には、

新たなレパートリーやフレーズの可能性を求めて、

まだ完全には覚えきれていない曲を楽譜を確認しながらの練習に移行します。

 

大体、このくらいのメニューを、1時間から時には3時間くらいかけてこなしています。

 

今日は久しぶりに、暗譜での練習の次に、

クラシック曲の練習をはさんでみました。

それも、どちらかといえば、コンサート用というよりも練習曲として愛好されている、

ソナチネと呼ばれる一連の楽曲の練習です。

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僕はクラシック曲を練習するときは、思い切り楽譜に忠実に演奏することを心がけます。

クラシック曲では、作曲者が練りに練り上げた完成度の高い音の進行が楽譜として定着されています。

楽譜通り演奏することで、作曲者の脳内に展開した音世界を追体験できるのです。

僕は人前でクラシック曲を披露することは、絶対にありませんが、

こっそりと密室で、それも決してスムーズとは言えない演奏ですが、

引っかかりながらでもクラシックの曲を演奏することは、

ジャズライブとはまた異なる、音楽の至福の時間です。

 

さてソナチネアルバムの曲を30分ほど練習した後に、

ジャズの練習に戻りました。

ここで驚きの発見がありました。

 

ソナチネを少し弾き込んだ後の僕の指は、

これまでには経験したことのないようななめらか動きを示し、

流れるように新鮮なフレーズが淀みなく紡ぎ出してきました。

自分で自分にびっくりしました。

もしかすると錯覚だったかもしれませんが、

異なる方法論を目指す練習法が、ムチャクチャ有効だった可能性が高いようです。

 

3日ほど前に、スポーツの世界のマルチトレーニングの効果について書きましたが、

どうやら楽器演奏の世界でもマルチ・ジャンル・トレーニングは有効なようです。

この道一筋もカッコいいんですが、

一見チャラく見えるような、浮気心丸出しの練習も、

目標さえしっかりと見据えていれば、かなりイケるやり方なんじゃないでしょうか。

 

ADHD 気質の薬物使用障害当事者は、人の迷惑顧みず、

これからも自己チュウ型、拡散型トレーニングに励んでいきます。

 

やっぱ断酒ライフは、ポジティブ・シンキングのつえぇ見方だぜ!