僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ピロティ

飲酒歴40年、断酒歴6年と1カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、老化の確認・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

f:id:skyoflisbon:20220307201352j:plain

写真は、モダニズム建築の代表作の一つとされている、

ル・コルビュジエ設計、サヴォア邸で、

1931年に竣工し、現在はフランスの歴史遺産の一つとして保存されています。

 

周りに何もない緑あふれる郊外の敷地に、

白い直方体の居住空間が空中に浮いているような印象を与えます。

2階部分が主な居住空間で、1階部分は構造上のコアと柱で構成されています。

このような、一見、スカスカに見える1階部分のことを、ピロティといいます。

サヴォア邸は、全体の幾何学的な構成と、1階部分のピロティが、何よりも印象に残ります。

 

で、今日は何の話かといいますと、

建築の話でも、モダニズムの話でもなく、

高齢者の物忘れの話です。

 

「ピロティ」、言葉の音感から言うと、単純でありながら印象深い響きをもっていますよね。

多分、覚えにくい言葉ではないと思います。

本来はフランス語で、「杭」を表す言葉ということですが、

覚えにくい言葉ではありませんが、日常会話に頻出する言葉でもありません。

 

僕の研究者としての出発点ならびに、大学教師として最も多くの学生に教授しているのは、

デザイン史です。

そしてデザイン史の中でも、

19世紀後半から20世紀前半にかけてのモダンデザインの成立史を中心的なテーマとしています。

当然、モダニズム建築も、僕の授業の中では重要な話題の一つであり、

ル・コルビュジエサヴォア邸も、直接、授業で取り上げることはないのですが、

当然、関心の一部を形成しています。

 

ところが、です。

この頃の僕は、この「ピロティ」という単語を、頻繁にど忘れします。

そしてひとたびど忘れすると、なかなか言語中枢に戻って来てくれません。

こんなに覚えやすい音感の言葉なのに、です。

「ピ」までは、出てくるのですが、

何故か、その先がつかまらない。

「ピ」まで来たら、後は自然にたどり着けそうなものなんですけどね。

 

残念ながら、高齢化の進展による、脳内回路の非活性化が原因なんでしょうね。

他にも、重要な人名がぶっ飛んでしまったりなんてことがよく起きます。

特に講義中に起きた時は、焦りますね。

老化だけではなく、アルコールの過度の摂取による、大脳皮質の劣化もあるでしょうね。

 

起きてしまったこと、起こしてしまったことを悔やんでも仕方がありません。

せめてこれからは、少しでも脳みそへの刺激を継続させることで、劣化の進行を遅らせ、

あわよくば、これまで活かしきれてないシナプスの活性化を図るべきでしょうね。

 

断酒ライフの継続と、いつまでもときめくハートの維持、

この厚かましい2大戦略で、まだまだ華を咲かせましょう。