僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

不思議な想い出

飲酒歴40年、断酒歴6年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、多分自慢話?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日はちょっとした思い出話です。

 

2012年、今からちょうど10年前ですが、

7月の下旬から8月の上旬にかけて、

ポルトガルとスペインを一人で旅しました。

この旅のメインの目的は、

ポルトガルのアヴェイロ大学で開催されたとある国際会議で、研究発表を行うことでした。

その発表は、研究者としての僕の経歴の中で、最も多産な時期の代表的な仕事でした。

 

アヴェイロでの研究発表を終えたのち、

リスボンマドリッドグラナダ、そしてバルセロナを訪ねました。

各都市ごとに貴重な体験ができました。

今日、報告したいのは、バルセロナでのちっちゃなエピソードです。

 

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バルセロナといえば、アント二・ガウディであり、

そして彼の代表作?ともいうべき、サグラダ・ファミリアです。

サグラダ・ファミリアをたっぷり堪能した後、もう一つの大規模なガウディの傑作、

グエル公園まで徒歩で向かいましたが、

その途中で、びっこを引いていたワンちゃんを連れた紳士と出会いました。

 

すでに重度のワンちゃんストーカー症候群を発症していた僕は、

早速そのワンちゃんとジェントルに向かって、関西弁で話しかけました。

「その子、どうしたん?びっこ、引いてるやんか。」

 

件のジェントル、スペイン語カタロニア語で答えてくれました。

「こいつ、アホでなぁ、コンくらいの高さのところから落っこちよっテン、

ホンで、足、くじいてしもうたんや。」

 

「ホンマァ。可哀そうやなぁ、あんじょう、面倒見たってや。」

「おおきに、おおきに。」

 

陽気なジェントル、分かりやすいアクションとともに説明してくれたので、

僕もしっかりと受け答えすることができました。

というか、しっかりと受け答えができたような気になりました。

 

多分、上記の僕の想像翻訳は、そんなに間違っていないと思います。

ジェントルは、僕の気安い問いかけに、気軽に答えてくれはりました。

 

僕はこのエピソードを、学生たちに話すことが時々、あります。

ちょっと大げさかもしれませんが、

いろいろな意味での異文化コミュニケーションの意味や意義を伝えるための、

きっかけとして活かすことができます。

僕の記憶情報以外に何も残っていませんが、

でも僕にとっては宝物といっていいような、想い出の一つです。

 

やっぱり、人は、実際の空間で人と出会ってこそ、人間だと思います。

雑多な情報が交錯する現実空間の中で、

デジタル空間では整理しきれない雑多な感覚や感情をやり取りする、

そしてそんなやり取りの中に意味や意義、そして面白さを見つけ出す、

そんな生き方、楽しみ方を続けていきたいと思います。

そのためにも、何はともあれ、断酒ライフをしっかり継続し、

できる限り感性が鈍らないようにしましょう。