飲酒歴40年、断酒歴6年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。
本日もリスボンの、ネタにしつつビビりつつ・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
以前にも書いたことがありますが、
数学者で大道芸人のピーター・フランクルさんは、
数学者にとって最も重要な身体器官である脳の働きを衰えさせる可能性が高いため、
アルコール飲料は一切、口にしないそうです。
飲酒者であり、勢いと生意気さで学術活動に従事していた若かりし頃の僕は、
そんなフランクルさんの生きざまを尊敬はしていましたが、
自分とは無縁のものだと思っていました。
昼間は、自分なりのペースで大脳に大汗をかかせて勉強をし、
そしてオフタイムには、アルコールのもたらしてくれる陶酔感を楽しむ、
そんな毎日の繰り返しが自分の生き方だと思っていました。
40年間の過剰飲酒生活にピリオドを打ち、
生まれ変わってアルコールなしのクリアーな脳みそ生活を送るようになった今、
フランクルさんの生き方はベストな選択であると考えることができるようになりました。
しかし今さら後悔しても手遅れですので、
せめて現在も十分な稼働状態にある脳細胞を可能な限り活かし、
そして休眠させないことを何よりも優先させるべきでしょう。
この頃、ネット記事を見ていても、
「認知症に陥る生活習慣」ですとか、「この食事が老化を早める」といったようなタイトルに、
目を奪われることが多くなりました。
大抵の記事が、
交友関係を大事にし、社会性を保つこと、
適度な運動を行い、心身ともに適度な刺激を与えること、
受動的なことよりも能動的な活動の中に楽しみを見つけること、
まんべんなく栄養素を摂取できる食事を心がけること、
といったような、言ってみれば当たり前のことの重要性を強調しています。
今のところの僕の生活は、
音楽活動を生活の中心に置くことによって、これらの行動指針を守ることができていると思います。
甘味系の食物を少しばかり過剰に摂取しているかもしれない点は、要注意かも。
この頃、ピアノの練習に際して、
メロディーをできる限り丁寧に弾くことを心がけています。
ジャズ・ピアノのアドリブ・プレイの場合、
どうしても音が駆け抜けるような華麗なフレーズに走りがちなのですが、
あえて一つ一つの音を意識しながら、短くとも個性の光るフレーズを紡ぎ出すようにしています。
少しだけ技術的なことを付け加えますと、
サスティン・ペダルをできる限り使わないことによって、
一つひとつの音への意識を高めるようにしています。
加齢による反射神経の衰えは、残念ながら抑えることが難しい。
しかし加齢による経験値の増大は、一瞬一瞬の意味を掘り下げる認識法をもたらしてくれました。
僕たちのような、ネガティブな経験値も豊富にもってしまった高齢者は、
時の流れを止めることなく、それぞれの一瞬を見つめる感性を獲得できたはずです。
走らず、でも立ち止まらず、一歩一歩を感じながら歩いて行くこと。
おそらくこんなあたりが、N 痴症の恐怖を克服するための有効な心がけでしょうね。
皆さん、3C (クリアー、クール、クレバー)の脳みそで、断酒ライフ、楽しみまくりましょう。