僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

油断大敵のようです

飲酒歴40年、断酒歴6年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、いつでも瀬戸際・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

継続は力なり。

とてつもなく有効な人生訓の一つとして、

いろいろな機会に目にしたり耳にしたりします。

 

一つのことを真面目にコツコツと続けていく、

そうすれば自ずと達人の境地に到達する、

だからとにかく、地道に頑張れ、

という警句ですよね。

 

広い意味での芸事やアートの世界では、

この警句はとてつもなく説得力があります。

特に音楽演奏の分野においては、

毎日の地味なプラクティスの積み重ねが素晴らしい表現の絶対の前提条件です。

僕もそのことを信じて、ピアノの練習だけは欠かしません。

 

しかし僕たちが取り組んでいる、断酒の道においては、

この警句は少しばかり影響力が変わります。

僕たちは神様からお呼びがかかるまで断酒道に邁進しなければなりません。

そしてその継続は僕たちの生活に輝きをもたらしてくれます、間違いなく。

 

ただしこの継続は、たった1回のしくじりで、すべてが水泡に帰します。

僕は幸いにもまだ経験がありませんが、

多くの断酒道の先輩方の中には、つらい SLIP を体験された方もいらっしゃるようで、

押しなべて、 SLIP 後の立ち直りの困難さについて訴えてらっしゃいます。

 

今日もたまたま目にしたブログの中で、

10年の継続ののちに SLIP してしまった方のエピソードが紹介されていました。

 

普通の感覚でいえば、10年間の継続といえば、相当なものです。

でも断酒道においては、10年継続しようが、一口でもアルコールを体内に摂取するや否や、

振り出しに戻り、しかもその振り出しからの再出発は地獄度が増しているそうです。

 

この頃の僕には、再飲酒欲求は全くと言っていいほどありません。

そして断酒道に入門したことを誰に対しても誇らしく語ることができます。

でも、僕たちは絶対に油断してはいけないのです。

僕の断酒歴6年と7か月は、喜んでよい結果であり、誇ってよいと思います。

でも、それは何の担保にもならないのです。

 

僕たちの歩むべき道は、決して歩きにくい道ではありません。

この道を歩み続けることに特別な技術は要りません。

でも、絶対にふらついてはいけないのです、絶対に。

 

生意気を申し上げますが、誇り高き多くの友人の皆さん、

神様に召されるその日まで、貫き通しましょう。