僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

野生の勝利を信じて

飲酒歴40年、断酒歴6年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、20世紀人は頑張る・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

「野生の思考」 レヴィ=ストロース(1962)。

僕たちのように20世紀の後半に多感な時代を過ごした人文系の研究者にとっては、

必読の名著でした。

 

 

この著作から文化人類学という新しい学術領域が生まれ、

また西欧合理主義の思想における専横に意義を唱える、

ポストモダニズムの足がかりが生まれたといわれています。

 

実は今日の僕の話は、

このレヴィ=ストロースの名著とは全く関係がありません。

ちょっと昔を懐かしんで、無理やり引っ張り出してきました。

 

今日は午後から地元の図書館に出向き、

読み終わった小説を返却し、新たに1冊、借り出してきましたが、

せっかくですので、書架の間をうろうろしながら、

何となく目にとまった本を拾い読みしました。

 

医療関係のコーナーを見ますと、

何冊か、新型コロナウィルスに関する書籍が並んでいましたので、

1冊、ぱらぱらと読んでみました。

 

その本(書名も著者名も忘れました、スンマセン)は、全体として、

新型コロナウィルス問題に対する、この国のこれまでの対応のパニック的な要素を取り上げ、

批判的に考察を展開してました。

 

その中で、ワクチン対策についても一つの章が当てられ、

著者とワクチンに詳しい小児科医との対談が掲載されていました。

そしてその小児科医の先生の批判がなかなか、痛快でした。

 

まず、現在、摂取が推奨されているワクチンですが、

これまでのワクチンの考え方とは全く異なる、新しい方法論で開発されたそうです。

通常であれば数年はかかるワクチン開発が、たった1年で実用化されましたが、

このワクチンがもたらすかもしれない副反応の可能性については、

当然ながら十分な検証はなされていないそうです。

世界中で、特にこの国においては、競うように急いでワクチンの接種が進められましたが、

数年先、10年先、あるいは20年先にどのような副反応が現れるのかは全く予想できないそうです。

 

僕はいまだにワクチンを打っていません。

近い将来、大笑いするのは、僕たち、ワクチン未接種者かもしれません。

 

そしてこの小児科の先生がもう一つ、憂いていたのは、

社会全体があまりにも殺菌や消毒の徹底に縛られ過ぎて、

生物として本来、獲得するはずの、

自己抵抗力が失われることだそうです。

 

この先生の話では、

幼い子供が何でも口に入れようとするのは、

もちろん、好奇心が第一なのですが、

雑菌等の様ざまな物質を体内に取り入れることによって、

体自身が異物に対する抵抗力を身につけるという大きな目的があるんだそうです。

特に異物の摂取によって、腸内細菌が適切な割合に調整され、

生物としての抵抗力が自然に高まるのだそうです。

 

消毒や殺菌を心掛けるのは、新型コロナウィルスを撲滅するために必要かもしれません。

しかし、それは実質的にはほとんど不可能だそうです。

むしろ、ウィルスに対する適切な抵抗力を育成することの方が、

人類のサヴァイヴァルにとっては有効だというのが、この先生の主張でした。

 

もちろん、この先生の説が絶対に正しい、

そして現在の日本社会に蔓延している、

対コロナ潔癖症対応が間違っていると結論付けることもできません。

 

でも、ここ2年半、僕たちの社会に巣くってきた過剰なまでの潔癖症的な対応に対して、

どうしても馴染むことのできなかった野生の思考の持ち主としては、

溜飲の下がる思いでした。

(この場合の野生の思考は、レヴィ=ストロースの著作の内容とは全く関係ありません。)

 

ゴミやチリを食うたくらいでは人間、死にません。

人間も野生の世界の一員であり、

過剰な衛生環境に慣らされ過ぎると、本来もっていた力を失いかねません。

断酒サヴァイヴァーの僕たちは、

新型コロナウィルスに対してもしっかりサヴァイヴァルしていきましょう。