僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

たまには世を忍ぶ仮の本業の話

飲酒歴40年、断酒歴6年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、たまにはまじめに仕事の話?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

多くの大学では、まだ後期の授業は始まっておりません。

僕の勤務先も同様で、秋学期の授業は、26日から開始されます。

このところの僕の一日の過ごし方は、ほぼ、パターン化されています。

 

午前中は主に勉強に当て、午後はピアノと歌の練習、

そして少しばかりの外出に当てています。

 

午前中の勉強なのですが、このところ、2冊の本に取り組んでいます。

1冊は障害学に関する完全な専門論文集で、

特に LGBTQ について考察を展開している研究論文を読み込むようにしています。

 

そしてもう一冊は学術書ではありません。

一般書、あるいは啓発書に相当するようなレベルの書物ですが、

僕にとっては、ここ10年くらい、ずーっと関心をもち続けている問題についての本です。

 

 

"It's not about the burqa" という、イギリスで出版された本なのですが、

タイトルの翻訳には少しばかり、工夫が必要でしょう。

直訳すれば、「ブルカのことではない」となりますが、

もし僕が翻訳するとすれば、「ブルカのことだけではない」とでもしてみたいかな。

 

ムスリムの女性たちによる、

イスラムと女性というジェンダーの関係についてのエッセイを集めた本です。

比較的、平易な英文で書かれたエッセイが多く、

今年の前期の英語で教材として、一つのエッセイを取り上げてみました。

 

その授業での履修学生たちの反応も良かったので、

この後期の授業でも講読用のテキストとして採用しようと思い、

候補になりそうなエッセイのいくつかを読んでいます。

 

僕自身の研究のための読書であれば、僕自身が理解できれば良いので、

それほど手間はかからないのですが、

英語の授業のテキストとして用いるためには、

一つひとつの構文から完璧に確認する必要がありますので、

研究のための読書よりも案外、時間がかかります。

 

しかし日本のほとんどの若者にとってイスラム世界そのものが未知の対象であり、

そして日本は世界でも有数のジェンダーに対する社会意識の後進国でもありますので、

この本のテキストは、学生たちにとっても、そして僕にとっても、

新鮮で、エキサイティングな刺激に満ちています。

 

やはり書物は、ネットからは得られない、知的な興奮をもたらしてくれます。

N 痴症になっている暇はありません。

少し自慢臭くなりますが、

英語ができてよかったと思います。

断酒ライフ、まだまだ課題たっぷり。