僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ハーベン・ギルマさん

飲酒歴40年、断酒歴6年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、今日も世を忍ぶ仮の本業絡み・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

 

写真の女性、ご存じでしょうか。

ハーベン・ギルマ Haben Girma さんという、

アメリカの障害者権利運動の活動家です。

まだ35歳とお若いのですが、2016年にはアメリカの思想家トップ30の一人に選ばれ、

またオバマ政権の障害者政策のアドバイザーを務めるなど、

輝かしいキャリアをもち、今後の活躍も期待される人でしょう。

今日、ギルマさんの著作の一つを読み始めました。

 

ギルマさんご自身も、重篤な障害とともに暮らしてらっしゃるのですが、

お分かりになりますでしょうか。

彼女は、盲聾者、つまり視力と聴力の両方に困難を抱えてらっしゃいます。

本人の説明によれば、視力、聴力どちらも、平均者の百分の一くらいの情報獲得能力しかないそうです。

 

盲聾者といえば、ヘレン・ケラーが有名ですが、

現在、日本には、約、1万4千人ほどの盲聾者が暮らしてらっしゃるそうです。

決してムチャクチャ、希少な存在ではないですよね。

日本では、東京大学福島智先生が当事者として有名です。

僕自身もこれまで何度か、盲聾者の方をお見かけしたことがあります。

 

目が見えないうえに耳も聞こえない、おそらく多くの人が疑問に思われるのは、

この人たちはどうやって互いにコミュニケーションをとっているんだろうかということでしょうね。

 

直接的には二通りのやり方で言語コミュニケーションを図ってるそうです。

 

一つは触手話

お互いに両手を合わせて、送り手の手話のアクションを触角を通して受け取るという方法です。

厳密にいえば手話は手の動きだけで完成するわけではないので、

部分的なコミュニケーションにとどまります。

 

そうしてもう一つは、触点字

展示は6つの点で文字を表現する方法ですが、

両手の人差し指、中指、薬指を互いに重ね合わせて、

6つの点のオンオフをそれぞれの指の上げ下げで表現するそうです。

 

触手話も触点字も、僕たち、平均者には思いもつかないコミュニケーション方法ですが、

しかし、人間ってすごいですよね。

知性や感性、そして身体性をも駆使して、あらゆる困難に取り組む力をもっています。

 

僕が障害者福祉や、障害学に関心をもち、活動や研究に取り組むようになったのも、

善意や慈悲の気もちではなく、人間のもっている多彩な可能性に対して好奇心を抱いたからです。

 

僕たち、薬物使用障害当事者には、

今のところ、平均者を驚かせるような素晴らしい能力はないようですが、

でも、飲酒を伴わない生活の素晴らしさを、心の底から主張できる点は、

少しくらい、誇りに思ってもいいんじゃないでしょうか。

きっと僕たちも、単なるお荷物じゃないはずですよ。

断酒プライドをもちましょう。