僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

怪しいバンクシー

飲酒歴40年、断酒歴6年と9カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル63。

本日もリスボンの、これはアリ?ナシ?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は大学には行かなくてもよい日、

午前中は、授業内で配布する資料の作成に当てました。

1500字ほどのちょっとした批評文を執筆するのに、約3時間ほど、かけてしまいました。

 

若いころに比べると、文章作成のスピードが確実に落ちています。

その理由は二つほど考えられます。

 

一つ目、やはり脳みその筋力が低下していることは否めません。

特に瞬発力というか、ひらめき力は、確実に落ちていますね。

 

二つ目、これは必ずしも悪いこととも言えないのですが、

文章を思いついてからテキストとして定着させるまでに、

慎重な判断を繰り返すようになり、

結果として文章を書くスピードが遅くなったようです。

 

若いころは勢いで文章を書いていた部分も少なくなく、

相当、危ない橋を渡ってしまったような気もします。

 

午前中に脳力を使い果たしたような気になったので、

午後は、イオンモール草津に出かけました。

地方在住者にとってイオンモールは、都会の華やぎを感じさせてくれる、

重要な場所です。

いつもはウインドウショッピングだけで終わる僕にしては珍しく、

今日は古着屋さんで、ダウンジャケットとマフラーを買いました。

 

イオンモール草津には、イオンホールという名前の催物会場があります。

僕も毎年、この会場で、

障害とともに暮らす人びとを対象とした公募展の展覧会の仕事でお世話になっていますが、

今日はそこでは、バンクシー?の版画?の展示即売会が行われていました。

 

 

バンクシーといえば、グラフィティーの作品が有名ですが、

他にもオークションで競り落とされた瞬間に自己裁断を起こすように仕組まれた絵画や、

ディズニーランドを皮肉った期間限定の遊園地の開園、

あるいは世界でも最も居心地の悪いホテルの開業といった、

アメリカを中心とした偏った資本主義を徹底的にディスるアートプロジェクトでも知られています。

 

そんな現代美術界の過激派、バンクシーの作品展示販売会、

どんなものだろうと思って覗いてみました。

 

怪しさ満開でした。

おそらくバンクシー本人とは全く関係のない、複製版画が並べられていました。

僕はおととし、バンクシー展を見ています。

その時に見て衝撃を受けた作品のコピーも並べられていましたが、

コピーとしての精度もひどいものでした。

おそらく展覧会のカタログか何かから作品の画像をコピーし、

それをもとに複製されたシルクスクリーンだと思われます。

 

グラフィティー作家としてのイメージが強いバンクシーですが、

バンクシー作の真正の版画作品は、アート職人の魂が込められた、

意外なほど丁寧に仕上げられた、良質のアート作品です。

その意味では、今日、たまたま出会ってしまったバンクシー?展、

質の悪い贋作を並べた不誠実な催しかもしれません。

著作権の問題はクリアーされているのでしょうか。

 

でも、たとえ質の落ちる複製品とはいえ、

そこにバンクシーのアート魂のかけらを見ることもできないわけではないでしょう。

パッと見には小ぎれいに仕上げられた20数万円のシルクスクリーンによる模写、

僕はそれなりに面白く眺めることができました。

 

もちろん、販売スタッフの話しかけはすべて無視しましたけどね。

金を落としもしない、ムッチャ、いやな客?でした。

でもあれで20数万円はぼったくりだと思いますわ、ハイ。