僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

あと2回かな

飲酒歴40年、断酒歴6年と10か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、折り返し地点での振り返り?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

生意気にも20代のうちから大学で講義を受け持つようになって、40年近くたちました。

これまで僕が最も多く担当した科目は、デザイン史です。

主に19世紀から20世紀前半にかけての、近代デザインの成立史について、語ってきました。

この語りも、今年を含めて、あと、2回で一応終了の予定です。

 

そしてこのデザイン史という講義の中で僕が最も力を入れて語ってしまうのが、

幾何学抽象絵画の成立とそのデザイン史における意義をテーマとした章です。

特にその中でも、オランダの幾何学抽象絵画の大家、

ピート・モンドリアンの作品展開について説明する回は、とてつもなく気合が入ってしまいます。

というのも、デザイン史研究者としての僕の出発点がモンドリアン研究だったからです。

 

 

モンドリアンの代表的な作品は、この画像のように、極めて単純な幾何学的構成です。

多くの方には、なんでこんな色見本みたいな絵が、重要なんだろうと思われることでしょう。

僕の研究の原点も、そんな素朴な感覚でした。

何としてもこの単純に見える作品世界を支えているに違いない、

深遠な美学について、自分自身で納得したい、

そんな思いから、美術史研究の門戸を叩きました。

 

若いころに、ホンマに情熱とエネルギーを込めて勉強し、

その中で得られた知見について、若者たちに伝えたい、

僕の暑苦しい思いを行動に移すことができる機会も、

もう、今年と来年で最後です。

 

今日の授業は、ちょうどこのモンドリアンについての回でした。

実は今、少しばかり喉の調子がよくないのですが、

やっぱり、気合を入れてしゃべってしまいました。

この頃いつも報告していますように、

火曜日は僕にとってハードワークの一日ですが、

今日はさらに声を張り上げてしまったこともあり、

帰宅してからの歌の練習も、早めに切り上げてしまいました。

 

ホンマに定年が迫っています。

泣こうがわめこうが、あと2回。

来年の今頃は、どんな風に感じていることでしょう。

引退、誰でも迎える道ですよね。

このまま断酒ライフを継続し、クリアー、クレバー、クールな3Cの脳みそで、

最後の講義を迎えたいと思います。