僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

哈爾濱からの涼風に癒される

飲酒歴40年、断酒歴6年と10か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、業界裏話・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は土曜日やっちゅうのに、出勤でした。

もっとも僕の職業?いつが就業中でいつがオフタイムなのか、

当の本人もいい加減にしか認識していませんので、

休日出勤に文句を言える立場ではありません。

今日は、仕事内容がハードだったんですよ、ハイ。

 

何がハードだったかというと、入試の面接担当だったんですが、

今日はいくつかの種別の異なる入試を一日で行ないました。

そのうち、ほぼ8割は、留学生を対象とした面接諮問でした。

 

僕の勤務先は美大ですので、

入試の面接も少し独特のやり方をします。

受験生にこれまで作成した作品を持参してもらい、

その作品の制作について、諮問を行うという方法で実施します。

 

留学生に対する面接入試においては、

持参作品に対する評価、その作品のプレゼンテーションに対する評価、

そして総合的な日本語能力を評価します。

 

ここからは業界ならではの微妙な話なのですが、

同じ持参作品を中心とした面接という方法をとっても、

入試の種別によって、合否の判断基準が変わってきます。

入試といえば、公正さが第一に求められる事業のはずですが、

同じ形式でも、種別によって判断の前提条件が異なってくるんですよ。

 

私立大学にとって入試は二つの目的をもって行われます。

一つ目、

確実に入学者を確保することによって、経営上の安定を図ること。

二つ目、

できる限り優秀な学生に入学してもらうことによって、教育の質の向上を図ること。

 

この二つの目的は、時に背反します。

そして今日の入試のややこしさは、

原則の背反する入試を一日の中で行うということにあります。

 

厳しめの判断を下す入試において、泣く泣く不合格にせざるを得なかった受験生がいる一方で、

ホンマにこの学生を入れるんかい、来年の授業運営がめんどくさいことになるでぇ、というような、

明らかに教学上は問題のある受験生を受け入れる決定をしなければいけないのです。

 

今日もそんな背反条件に泣かざるを得ない事例がありました。

日本語能力も怪しければ、造形的な力も心もとない受験生に合格判定を下しながら、

合格者の上限の関係で不合格にしてしまった受験生もいました。

 

そんな一日の中で、実に爽やかな受験生に出会うこともできました。

 

その受験生は、黒竜江省、哈爾濱出身の女子学生で、

先程の話でいえば、合格が最初から決定している枠組みの入試の受験生でした。

しかし持参作品のレベルもなかなか高く、

何よりも、昨年、高等学校を卒業したばかりにもかかわらず、

日本語によるコミュニケーション能力の高さが際立っていました。

 

そして、文脈によっては社会性を欠いた発言にもなりかねませんが、

とてもさわやかな印象をもたらしてくれる、美少女でした。

もちろん、僕のわがまま勝手な判断基準に基づいております。

面接中の僕の質問に答えてくれた彼女の美しい瞳は、

この不埒極まりない不良初期高齢者の目をしっかりと見つめ返してくれました。

少しばかりやましい気もちもあったので、ドギマギもしましたが、

少しばかりきつい業務の中に、北国からさわやかな風が吹き抜けました。

冬の哈爾濱の一風景だそうです。