僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

国家機密の遂行に参加しました

飲酒歴40年、断酒歴6年と11か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、ちょっとした内部告発?ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は1月15日、大昔は成人の日だったんですけどね。

今年は、大学入学共通テスト2日目でした。

僕は今年、恐らくは最後のご奉公として、

滋賀医科大学会場での数学①の試験監督を行ってきました。

 

数学①、11時20分から12時30分までの70分間、

どうやら東京大学の試験会場の一つで、

試験時間が短かったという受験生からの指摘があり、

再試験が実施されることになったそうです。

 

試験時間が1分、短かったという受験生の指摘が正しかったかどうかは、

残念ながら確認するすべがありません。

ただ同じ業務を同じ時間に行っていた者として、

その実情について報告しておこうとは思います。

 

共通テストの試験監督ですが、

監督者は必ず複数、配置されます。

そしてその中から一人が必ずタイムキーパーという役割を果たすことになっています。

 

それから試験監督者のすべての発言や行動は、

全てマニュアル化されています。

根がADHDでジャズ・ミュージシャンという、アドリブ人間の僕も、

この業務だけは、ホンマにマニュアル通りに遂行します。

 

従って今回の問題は、

該当する試験会場のタイムキーパー役の監督者に責任の一端があり、

さらに言えば、マニュアルそのものにも問題があると考えられます。

 

タイムキーパーさんについてこの場でどうこう言うのは、

恐らく、不適切でしょうし、何を言っても憶測の域を出ません。

 

しかしマニュアルの問題点については、

全く同じ書類に基づいて業務にあたった当事者として、

指摘できることがあります。

 

ずばり言えば、監督者が試験室に入室してから、

試験開始までの時間が短すぎます。

あるいは、試験開始までの時間の中で、試験監督者がこなすべき業務が多いのです。

僕もぎりぎりでした。

 

今日の僕は、僕の担当した会場の主任ということで、

受験生に対する指示をすべて読み上げました。

受験生全員に指示が周知されていることを確認しながら業務を遂行しましたが、

その結果、時間配分はホンマにぎりぎりでした。

 

僕の場合、僕と同じ会場で監督業務にあたってくれた滋賀医大の先生と、

補助業務にあたってくれた滋賀医大の職員さんが適切にてきぱきと動いてくださったので、

試験時間開始の繰り下げ実施を行わずに済みました。

 

監督業務、マニュアル、そして試験時間設定のどれかについて、

あるいはすべてについて、見直しが必要だと思います。

 

そしてもう一つ、面倒な問題点を指摘します。

 

僕たちは試験本部で、

時計合わせと問題受け渡し、そして最後の確認ブリーフィングを受けてから、

それぞれの試験会場に向かいます。

 

この本部での業務、特に本部責任者による最終ブリーフィングの時間が少しでも伸びると、

各試験会場での業務が圧迫されます。

今日の僕たちの会場の責任者は、

残念ながらこのあたりの認識が甘かったということができそうです。

もっと簡潔にブリーフィングができたと思います。

 

広い意味での官僚型事業組織で行われる業務においては、

それぞれの業務分掌の徹底が前提とされますが、

そのため、業務委全体の遂行よりも、

自己に割り振られた分掌の遂行に重きが置かれてしまうきらいがどうしても現れます。

 

今日の東大会場での事案は、

官僚型業務遂行を第一とする、この国の弱点の一つが現れた現象であったともいえそうです。

 

共通テストも含めてですが、

集団による集団の自己管理というこの国の社会の多くが得意としている体制について、

考えてもいいんじゃないかな。

 

今日もまた考えるための宿題がいただけました。