僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

僕の30年

飲酒歴40年、断酒歴7年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、節目ってこんな感じですか・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は今年度最後の会議に出席するために、大学に行きました。

 

来年度の役職者割り振りは、先月の教授会で発表されており、

最後の1年間も見事に窓際業務を仰せつかりました。

30年間、勤めて、ついに1回も役職に就きませんでした。

 

 

今日、教授会で発表されたのは、

来年度の事業計画および予算計画です。

大学としてどのような仕事に重点を置くのか、

そしてそのためにどのようにお金やヒトを割り振るのかという、

まさに今後の大学の進むべき方向を示す、

大事な書類でした。

 

大事な書類であり、大事な審議事項でもあるので、

少しはまじめに読み込もうかなと思って、書類を開き始めましたが、

ザーッと見通して、詳細を検討することはやめました。

 

この4月からの1年間で定年を迎える僕は、

通産、31年、勤務したことになります。

大学の先生の仕事というのは、大きく分けると、

研究、教育、そして業務の3分野から構成されます。

僕は少なくとも、教育に関しては、熱意をもって取り組みました。

その支えとなる研究も、成果はそれほど目立ちませんが、

独自の仕事を積み重ねてきた自負はあります。

正直に言いまして、業務に関しては、ある時期から熱意をもって取り組むことはなくなりました。

 

今日、発表された事業計画ならびに予算案を見て僕が思ったのは、

僕の勤めてきた大学は、

教育や研究面に関しては僕がこれまで積み重ねてきた成果について、

殆ど評価していなかったんだということです。

 

僕は学生たちに、とにかく何事に対しても、批判的に考えることの重要性を伝えてきました。

批判的に考えるというのは、あら捜しをするという意味ではなく、

客観的に、そして多角的に考えることであり、

目先の事態の推移に踊らされることのない、

人間として最も基礎的な力ともいうべき知性を発揮することを意味しています。

 

しかし今日、発表された事業計画では、実践的な教育の重視という言い方ではありますが、

僕がこれまで注力してきた方向とは異なる教育方針が謳われていました。

考えすぎかもしれませんが、

僕の30年間の教育にかけてきた情熱は、誰の関心も惹かなかったようです。

 

恐らく僕の被害妄想的な誤解だとも思います。

しかし役職者に着くことが全くなかったことも併せて考えると、

僕の30年間は何だったのか、という思いもあります。

でも僕の思い上がりもあるかな。

一度は解雇の危機もありました。

何とかあがいて乗り切り、定年まで勤めることになりそうです。

 

ま、それでいいか。

 

何といっても、断酒ライフという新しい生き方を見つけたしね。