僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

森の小径のそり滑りの想い出

飲酒歴40年、断酒歴7年と3カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、反面教師にはなれた?ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日もいつものように、ピアノの練習と読書が中心の一日でした。

お昼前後は、庭にキャンプ用の椅子を出して、野外読書。

 

以前にも報告しました、デンマーク人の女性イマームシェリン・ハンカンさんのエッセイ、

「女性こそイスラムの未来」"Women are the future of Islam"、

佳境に入ってきました。

 

フェミニストであり、そしてスンニ派ムスリムであるハンカンさんの主張は、

どうやらイスラムの原点への回帰を訴えているようであり、

世界中ではびこっているイスラムのイメージが誤解に満ちていることを、

繰り返し訴えています。

 

イスラムに対する理解も低く、

そしてフェミニズムに対する理解も後進的なこの国でこの本に出会ったことは、

とてもラッキーだったと思っています。

 

3時過ぎに、気分転換と運動のために散歩に出ることにしました。

今日の散歩先は、近くにある関西電力の高圧送電線の管理用の小径を選びました。

この小径は、適度なアップダウンがリズミックに現れる、楽し気なルートです。

しかし僕は、歩きながら道の楽しさを満喫すると同時に、

少しばかり感傷的な気分にもなりました。

倅がまだちっちゃかったころ、雪が積もった日にこの小径で、

倅とそり遊びをしたことを思い出したからです。

 

倅はまだ6歳か7歳、そして僕は過剰飲酒を日常とする40代のおっさんでしたが、

父親らしさを発揮するために、全力でプラスチック製のそりを引き、坂道を走りました。

倅は倅で、これ以上はないという破顔で僕の頑張りに答えてくれました。

何故か少しばかり甘酸っぱさの香る思い出です。

 

倅が中学3年生の時に、このダメ親父は肝臓を壊して入院しました。

その1年ほど前から倅は僕の過剰飲酒を監視するようになりました。

僕は最低の父親に成り下がっていました。

 

せめて倅にとって僕のヤラカシが、反面教師として生きていることを願います。

かましいかもしれませんけど。

 

僕の育った環境では、親類の男性の大半が習慣飲酒者であり、

何人かは連続飲酒者となり、命を落としました。

ホンマに厚かましいかもしれませんが、

一度、酒で心身ともに自ら破壊した男の立ち直りを見てもらうことで、

倅の人生の指針の一部にでもなれればと思います。

 

倅はきっと、僕とのそり遊びのことは覚えてはいないと思います。

あいつの多感なころに僕がムチャクチャ、カッコ悪かったことは、

残念ながら取り返しはつきません。

でも、その後のこのジジィのお気楽立ち直り?人生について、

もし少しでも認めてくれていたら、静かに、でも全身でうれしいです。