僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

今日のひさびさ

飲酒歴40年、断酒歴7年と4カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、ホンマにひさびさ・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

今日は2件のひさびさ案件を報告します。

2件と言っても、1件はもう1件の部分集合ですので、

全部で1件といってもいいです。

 

大きい方の1件は、ほぼ4年ぶりといっていいと思うのですが、

勤務先の大学のオープンキャンパスに参加したことでした。

今では大学のオープンキャンパスといえば、

国公立、私立の違いを問わず、多くの大学にとって、

学生募集、すなわち、集客というか営業のための、最重要業務です。

ところが僕は、ここ3年ほど、勤務先のオープンキャンパスに参加してきませんでした。

 

こういう書き方をすると、

まるで僕が僕の意志で、あえて業務をサボタージュしたかのように読めますが、

そうではありません。

3年前の新型コロナウィルス感染拡大問題を受けて、

できる限り人の密集状態を作らないようにしようという大学の方針のため、

最少人数での業務遂行が至上命令となったためです。

 

美大の場合、受験を考えている高校生に対してまずは、

実習系の授業を担当する教員が説明等の対応にあたることが優先されます。

僕のように、昔でいうところの一般教養科目担当の教員は、

無理してまで来なくていいよ、

否むしろ、3年前の感染拡大防止狂騒曲のころは、

頼むから大学に来んといてくれという指示が下されました。

 

しかしさすがにコロナ感染症の5類への移行を受けまして、

適切な対応を取りながら、元気なオープンキャンパスを行おうということで、

自主的な業務参加が認められるようになりました。

 

ですので、別に今日も参加義務があったわけではないのですが、

同じ大学という組織に所属していながら、

他の部署がどのような授業や指導を展開しているのか、全く知らないのもつまらないと思い、

休日を返上しました。

 

ところが面白いもので、自主参加のつもりで大学に顔を出したところ、

急遽、ウクライナから日本に来ている高校生の参加予約があったということで、

通訳業務を依頼されました。

もっとも参加したウクライナ人の彼女、

充分な日本語能力をすでに身につけており、

実際に通訳をしなければならない場面はありませんでした。

 

ですが、彼女が参加を希望した見学やワークショップには同行することにし、

その結果、2件目の僕のひさびさ体験が訪れました。

 

彼女は、僕の勤め先の大学のイラストレーションのクラスに関心をもち、

そこで行われたクロッキーのワークショップに参加しました。

そこでこれはかなり反則案件の可能性もありますが、

僕も彼女も含めた10数名のワークショップ参加者に交じって、

クロッキーの講習を受けることにしました。

学生時代から考えると、実に40数年ぶりのクロッキー体験です。

 

 

そのワークショップは、もちろん、イラストレーションクラスの教員が指導に当たっていましたが、

現役の大学2年生たち、つまり、僕の担当授業の教え子でもある学生たちが、

ワークショップのアシスタントとして教員をサポートしていました。

つまり僕は、あえて自分の本来の専門ではない分野の実技講座に参加することで、

彼女/彼らの笑いものになる道を選んだのです。

 

もちろん、僕の中には、単に笑いものになるだけではなく、

他の教師の指導のノーハウを体験したいという思いも、

そして純粋な好奇心もありました。

 

2時間半ほどのクロッキー講習、

面白かったです。

それからへとへとになりました。

そして現役の学生たちの優れたスキルも確認できましたし、

さらには、一緒に参加していた美大志望の高校生たちのスキルにも驚かされました。

 

僕はどうやら、根っからの野次馬根性丸出しの好奇心のかたまりのようで、

疲れや劣等感よりも、未知の体験が楽しめたことの興奮が気もちの底で今でも渦巻いています。

はた迷惑好奇心ジジィは、今日もご機嫌さんで、眠りにつくことでしょう。

スンマセン、世間の迷惑顧みず。