僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

決してみんなが勝ち組じゃない

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アル症と肝硬変、病気と仲良くしながら、
でもまだ静かながら怪しい闘志を燃やしています、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、わがまま・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

写真は、リスボンの「発見のモニュメント」から眺めた、テージョ川
この向こう側に大西洋が広がっているらしいです。

2012年7月から8月にかけてのイベリア半島への旅、
僕の海外渡航経験はそれほど多いわけではないのですが、
このポルトガル・スペインへの2週間の旅は、
僕の人生の中でも異彩を放つ経験となりました。

「みんなが勝ち組じゃない」という今日のタイトル、
2016年に起きた様々な社会の変化に対して、
小さな個人としてどう対応するかという、
割と切羽詰まった課題に対する僕なりの一つの答え?です。

全てにおいて右肩上がり信仰はもう無効ですよ、
努力は必ずしも成功を保証するものではありませんよ、
これまでの常識はこれからの非常識かもしれませんよ。

ポピュリズムの台頭は僕たち初期高齢者に対しても思考の新たな枠組み作りを要求します。

ポルトガルは、少なくとも経済的には世界のトップを走ってはいません。
スペインでは、あのサグラダ・ファミリアの周囲でも多くの乞食を見ました。

僕たちの文化は、常にトップに追いつき追い越せで動いてきたような気がします。
明治時代の日本にとって追いつくべき目標の一つはイギリスでしたし、
第二次大戦後は、(日本だけではないかもしれませんが)とにかくアメリカでした。

でもそのアメリカが、世界の学級委員長としてのポジションを放棄し、
ずるい手を使ってでも自分達だけの豊かさを確保することを宣言しています。
資源的な体力において劣る日本が、アメリカ・モデルについていくことはもう無理でしょう。

もしかすると、経済的にも政治的にトップを走ってはいない、
でも、文化における独自性はある程度保持している国々、
そんなところと僕たちは連帯を求めていくべきではないかと、
ふと考えてしまいました。

そしてポルトガルはそんな国の一つのような気がします。

僕たちアル症者は、努力至上主義の観点からは、一度、落ちこぼれてしまった者たちでしょう。
もちろん僕たちがもう一度、努力至上主義の土俵に上るという選択肢もありますが、
でも違う人生の土俵があるような気もします。

僕は厚かましく、そしてアホですので、
まだまだ人生の現役でいるつもりは満々ですが、
少なくともその土俵を青春の価値観で測ることはできないでしょう。
決して小さくはない、しかしもちろん決定的とも言い切れない敗北を経験した者としては、
価値観を少しずらしてみる、
価値観の揺らぎに対していつでもバランスが取れるような柔らかさ、ずる賢さが必要かもしれません。

入院生活を早めに終えることができましたら、
久々に海外に出てみようと思います。
これから勝ち組になるかもしれない、でもかつての勝ち組と同じことをする訳にはいかない地域、
上海か、香港辺りを訪ねてみたいと思っています。

勝ち組でも負け組でもない、新たなスーパースターを目指しましょう、そしてそのためにも
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。