飲酒歴40年、断酒歴8年と3カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル65。
本日もリスボンの、原点回帰・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。
いきなり写真を2点、貼り付けました。
もちろん、どちらもウェブから勝手に拝借してきたものです。
現在、京都市京セラ美術館で開催されている、
恐らく美術関係者であれば、好き嫌いを問わず、マストの展覧会なんでしょうね。
僕も去年までであれば、観に行ってました、間違いなく。
でも今年は行かないと思います。
理由は大きく二つあります。
一つ目、入館料が2200円、あまり安くないということ。
二つ目、興味がないわけではないのですが、わざわざ現場に足を運ぶ気にはならないということ。
以上です。
この二つの理由、もちろん、根っこはリンクしていますので、
一体の理由といってもいいでしょう。
昨年までの僕であれば、なぜ、絶対行っていたと言い切れるのかというと、
僕が美術関係者だったからです。
美大の教師であり、
アートを志す若者たちに、デザイン史やデザイン理論を講義し、
そして現代美術を中心に芸術全般について思いを伝えることを生業としていました。
専門家として、日本中のアート関係者が間違いなく注目している展覧会には、
当然、足を運ぶべきでしょう。
そして昨年までの僕は、そのために勤務先の公的な費用を当てることができました。
美大を定年退職した僕は、少なくとも公式のプロフィール上は専門家ではなくなりました。
そして大学を退職しましたので、展覧会等に勤務先の公金を当てることができなくなりました。
正直に言います。
残念でもなんでもありません。
矛盾した言い方になるかもしれませんが、
昨年までの僕は、公金の当てがあろうとなかろうと、
気鋭のアーティストの最新のインスタレーションに心をときめかせて出かけていたはずです。
今は、行こうとは思っていません。
繰り返しますが、全然、残念でもなんでもありません。
47年前にデザインを専攻する大学の学科に、どうやら縁があったようで入学しました。
大学院まで進み、それ以来、芸術学の専門家としてのキャリアを積みました。
恐らく、僕の中のアートに対する関心や興味は、ホンモノだったと思います。
40年間、アート関係者として仕事をしてきました。
でも定年退職を迎え、音楽活動に人生の軸をシフトしました。
音楽は幼いころからムチャクチャ好きでした。
そして才能もあったと思います。
僕にとって今回の定年退職は、その意味で原点回帰でした。
今でもアートには関心はあります。
展覧会によっては、内覧会の招待もいただけますので、足を運びます。
そしてその時の僕は、思い切り展示作品を楽しみます。
アートと向き合った僕の前半生、楽しかったし、得たものも多かった。
そして音楽に軸を移す僕の後半生、もっと輝かせます。
二度、美味しい人生を送ります。
断酒者だからこそ可能な贅沢です。
神様、ありがとうございます。
そしてこの贅沢を思い切り楽しむ、この不束者をお見守りください。