僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

高齢者を忖度してはいけない

年度が改まりました、でもアル症と肝硬変との3人4脚は変わりません、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、気遣いゼロ・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

韓国のパク・クネ前大統領が逮捕されました。

なんという国でしょう、大統領経験者全員が、普通の老後を送ることができないとは。

世間ではいろいろなことが言われていますが、
おそらく、あまりにも大統領に権限が集中しすぎていることが根っこにあるんでしょう。

一方我が日本では、森友学園問題が未だくすぶっています。
こちらはあまりにも絡まる要素が多すぎ、しかも多次元に渡るので、話の整理がなかなかつきません。

ただ僕として一つ注意しておきたいのは、
我が国の教育内容に愛国的な精神をもたらそうと企んでいる、
いわゆる右寄りと呼ばれる人たちの、思想的な甘さ、軽さ、
そして社会習慣や金銭の管理に関する脇の甘さが、
結構、表に出てきたのではないか、という点です。

あの元理事長のご夫人の、
「良いことをしようとしているのだから少しくらいは・・・」
という発言。

それから現在では火消しに躍起になっていますが、
国辱犬ポチ総理大臣が最初表明されていた、森友学園の教育方針に対する部分的な賛辞。

そしてミーハー愛国大臣、泣き虫朋ちゃんの園児への教育勅語強制暗記教育への賛辞。

みんな、良いことを目指しているという、大前提を疑ってはいません。

教育勅語の最初の方に、
年長者を敬うことの意義を教える部分があります。
両親を始めとする身近な年長者に対する敬意、これは大事なことでしょう。

しかし、年長者のいうこと、これが絶対かどうかは、また別の話です。

往々にして高齢者は判断を誤ります。
高齢者には、時流についていくことは生理的に無理があります。
高齢者は、昔の価値観にこだわり、昔の名前で登場しようとします。
そして高齢者は、現状を見誤り、間違った指示を若者に強要します。

僕自身も、学生たちとの年齢差が大きくなるにつれ、
毎年、実感します。

僕たちの価値観を今の若者に共有させることは、犯罪的ですらあります。
人生の先輩として考えたことを伝えること、これは大いに意義があります。

僕たちの時代はこんなだった、そしてそんな中で僕たちはこんな風にあがいてきたよ。
君たちは君たちの時代に正面から向き合ってどうあがいていくんだ?
大いに若者を刺激しましょう、場合によっては怒らせましょう。
そのことで若者たちの思考が広がっていくのであれば、なんぼでも批判の対象になりましょう。

しかし僕たち高齢者は、僕たちのすでに死んでしまった価値観を押し付けてはいけないのです。

僕は、教育勅語に過剰な意義を見出そうとする人たちの中に、
悪質な意識的思考停止への意志を感じます。

そして日本以上に儒教意識の強い韓国にあっては、
高齢者、あるいは権力者のいうことは絶対なのです。

絶対的な権力を与えられたものは、よほどの賢者ではない限り、裸の王様になります。

韓国の歴代大統領が、例外なく悲劇的な最後を迎えるのも、このことと無関係ではないでしょう。

2回も国籍を変更した僕には、愛国精神というものは理解が難しい。
でも文化を尊敬し愛する精神には自信があります。

和菓子屋がOKでパン屋さんはちょっと、という感覚は理解できません。

若者たちよ、あえて言おう。

高齢者の思いを忖度する必要はない。
高齢者のいうことは、面白いこと、役に立ちそうなことだけ、つまみ食いしなさい。
高齢者は確かにかつて思い切り、苦労しました。
でも、それはあくまで、「かつて」であり「今」ではないのです。

儒教精神を否定するつもりはありません。
年長者に対する敬意を否定するつもりもありません。

むしろ私たち高齢者が自覚的になるべきなのです。
脳みそがくたびれてきていることを。

脳みそがくたびれても幸せは追求しましょう。そしてそのために

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。