僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ギター職人の死

アル症です、肝硬変です、昭和を引きずっています、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、狭いぞ・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

何がどう狭いかといいますと、今日取り上げるアーティストです。

アーティストが狭いというのもおかしな言い方ですが、
ホンマに知る人ぞ知るミュージシャンがまた一人、この世を去りました。

アラン・ホールズワース、享年、70歳。

アラン・ホールズワース、どこが知る人ぞ知るといえるかといえば、

彼の参加したアルバム、多くのミュージシャンの重要な作品に、
時にレギュラーメンバーとして、時にゲストミュージシャンとして参加しています。

そしてどの作品でも、アラン・ホールズワースでなければこのサウンドはできないといっていい、
独自性と高度なテクニックに満ちたギタープレイを聴かせてくれます。

ところが、アラン、ひとところにじっとしていないタイプのアーティストなんです。

彼がロック・ファンの前に強烈な印象を残した第1作といっていい作品は、
イギリスの伝説的なプログレッシブ・ジャズ・ロックバンド、ソフトマシーンの第8作目でした。

このアルバムでホールズワースは、カール・ジェンキンスのアレンジに支えられて、奔放極まりないギターソロを展開します。

しかし次のアルバムには参加していません。

アラン・ホールズワースは、音楽的な名声だとか、それに伴う金銭等には、ほとんど関心のないミュージシャンだったようです。

晩年(といっていいよね)には、自らのリーダー・バンドを結成し、日本でもライブを行っていますが、
自分のギタープレイ以外は全く前に出さない、ヴィジュアル面からは、あまりにも地味な演奏を展開しました。
したがって、アルバムセールスも地味なものにとどまったようです。

でも、サウンドに関しては絶対に妥協しない、いい意味での頑固者でした。

やたらめったらでっかい手のひらを生かしたスーパー速弾きは、どんなギター小僧にもまねできないものでしょう。

幸いにして僕たちは、YouTubeで彼のバンドのライブ公演を聴くことができます。

全然、キャッチーではありません。
でも、聴けば聞くほど、すごいプレイヤーでした。

サウンドにこだわるロックミュージシャンからは一目も二目もおかれていたアラン・ホールズワース

また20世紀が遠くなりました。

でも

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。