僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

大学祭二日目

今日も元気なアルコール依存症リスボン、58歳。

本日もリスボンの、よござんしたね・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


晴天に恵まれ、勤め先の大学の学園祭、二日目でした。

今日の報告はどちらも自慢臭さ、満載ですので、
ご注意ください。


昨日も少し触れましたが、
僕が今年の大学祭にかけた一つ目の悪だくみは、

僕が研究活動上で付き合いのある障害者支援施設の皆さんを大学祭にお招きしようというものです。

二か所の、重度の心身障害者のためのデイサービス施設から、
福祉車両6台に分乗して、利用者と介護者の皆さんが二十名近く遊びに来てくれました。

これは僕の研究上の中身ともかかわるのですが、
僕は障害とともに暮らす人たちは、積極的に街に出かけるべきだと考えています。

もちろん、当事者も支援者も多くの困難が伴いますが、
彼らが社会の中で隠れて暮らさなければならない必然性はありません。

すぐ近くに障害とともに暮らす人たちがいるという現実に対して、
多くの人に目を向けてほしいと思い、
彼らがごく普通にお出かけすることがとても大事だと思っています。

今回、年度の初めの段階で、両施設のスタッフに大学祭に来ませんかと声をかけたところ、
ちょうど、大学祭の日と、皆さんの通所日が重なり、本日のたくらみの実現に結びつきました。

11時過ぎに6台の福祉車両がやってきて、次から次へと車いすが降りてきます。
そして全員がそろい次第、学生たちが運営する露店の間を、車いすの行列が進んでいきました。

学生諸君も利用者たちに積極的に声をかけてくれました。

僕が見たかったのはこの光景です。
みんなが楽しい日に障害とともに暮らす人たちもともに楽しくそこにいる。
考えてみれば当たり前のことなんですが、意外にそのような光景を目にする機会は少ない。
当たり前のことがまだできていない社会の中で、当たり前を実行する。

当たり前のことができてうれしい、というのも考えてみれば、おかしな話ですが、でも今日はうれしかった。


二つ目の悪だくみは、大学祭の一角でストリート・ミュージシャンとしてピアノを弾き続けるというものです。

ピアノを弾くだけならば、これまでの大学祭でもやってきました。

今回は、コンピューターを持ち込み、YouTubeからジャズのマイナス・ワン・トラックを呼び込んで、
YouTube上のベーシストとドラマーとともに、共演するという試みです。

実際に弾いているのは僕一人なのですが、サウンドはジャズ・ピアノ・トリオですので、
遠くからはCDの再生のように聞こえたようです。

僕が今日自信に課したのは、とにかく疲れてもできる限り多くの曲を弾き、長時間プレイを続けるというものです。

しんどいですよ、まず指が。

そしてフレーズが枯渇してくるので、次に神経が参ってきます。

しかし神経が疲れた状態でもさらに弾き続けると、ある種、ランナーズ・ハイのような状態になり、
不思議なことに新しいフレーズや演奏法が出てくるのです。

5時以降、周囲が暗くなるにつれて、このプレイヤーズ・ハイの状態が訪れるようになってきました。

僕にとってその時点で、オーディエンスの存在は、悪いけれど、どっちでもよくなりました。
理屈で考えている限りは出てこないような、新しいフレーズがじわじわと湧いてきたのです。

変な話ですが、自分で自分のプレイに感動しました。

肉体をいじめると精神がよみがえることがあるんですね。
勘違いかもしれませんけど。


7時過ぎにプレイを終え、楽器を片付け、学生たちの露店を冷やかしに行きました。
半分くらいの学生たちは酒を飲んでいたようです。
いいなぁ、と思いつつ、断酒者としてのプライドは守りました。

二日間とも、アルコール抜きの大学祭、思い切り楽しみました。

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。