僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

老後を想う (2 妄想は続きます)

アル症と肝硬変 断酒界の最強悪役タッグと毎日戦っています、リスボン、57歳。
でも、この悪役タッグ、僕自身の本当の姿なんだよね。

今日も、ノープラン・わがまま・独り言・ブログ、ご訪問、ありがとうございます。

最近、スリップされてしまった、(でも復活されています)むぎむぎのうささんの一言が、とても印象に残っています。



断酒継続の日にちを数えるのは止めました。
それが自信にもなりますが、油断にもなることを知ったからです。(引用させていただきました)


毎日の自信の裏付けになりそうな数字が、一瞬にして落とし穴にも化けるという残酷な事実。

僕たちが付き合わなければならない病気は、やっぱり手ごわいようですね。



ところで、老後への妄想。

僕は、故あって、美術の世界のある専門家ということになってしまいました。

こどもの頃に絵が上手かったということは、じぇんじぇん、ありません。
何故か、受験科目に鉛筆デッサンがあったにもかかわらず、数学と物理の実力で
(ばらします)京都工芸繊維大学のデザインを勉強する学科に合格してしまったのが、運のつきでした。

大学に入学した当初、というか2年生くらいまでは、苦労しましたよ。
クラスの友人全員が、美大を目指すような美術の実技の訓練を積んでいた連中で、その中に、全くの、ホンマに全くの門外漢が混ざっていたからです。

大学の恩師も、実習授業の中で
「XX君は、学科が始まって以来の手の悪さですね」(手癖が悪くて人のものを取ってしまうという意味ではありません、単にヘタクソという意味です)という、最高の賛辞をいただいたくらいです。


その僕が、今では、知的障害者の芸術表現に関する研究者として、残りの現役生活をがんばっています。

アート業界にも知り合いは増えました。
展覧会(美術館での大きなものから、画廊での個展のようなものまで)を覗くことも仕事の一部になりました。
作品が社会に出ていく過程についても、ある程度、見てきました。

そんな経験を踏まえての、老後への妄想です。

とある京都市内の画廊、アーティストとしては無名の男、しかし、多くの業界人がその名前については聴いたことがある男が、始めての個展を開催します。

作品の数は多くはありませんが、どれも巨大な絵画で、技術的には全く見るところがありませんが、
やたらと下手くそなくせして細かい描写で埋めつくされています。
細かい描写の一つひとつには、何かメッセージがありそうですが、はっきりとしたものではありません。

何人かの客が訪れ、オープニングにふるまわれるワインを飲みながら、僕と雑談に興じています。

そして、何点かの作品のキャプションに、買い手がついたことを示す赤丸のシールが貼られています。

アル症の老画家、リスボンのデビュー個展です。

作品は、巨大なタブローですので、1点当たり、強気のン百万です。

これで、年に3回ほど個展を開催し、1回につき、2,3点、絵が売れれば、年金以上の収入になって、
(というか、年金の受給が受けられなくなるのかな)
年に1回くらいは、ヨーロッパに遊びに行けます。


妄想、妄想。

でも、昨日も書きましたが、案外、むちゃくちゃな妄想ではないかもしれませんよ。

こういう妄想を、むなしいと感じるか、楽しいと感じるかは、個性によって分かれるところですよね。

僕は、少なくとも妄想している間は、ワクワクします。

このワクワクのためにも、最強タッグとは仲良くやっていく必要があります。

そんなわけで、皆さんも、僕も、今日もご機嫌さんで、
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続させましょう。