僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

少し残念な望み

今日は猛暑でしたね、アル症にも肝硬変にも等しく猛暑は訪れます、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、わがまま・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


この頃、ありがたいことに再飲酒欲求は、ほぼ、ありません。

かつて少しばかり僕を悩ませた、食事に関する情報も、それほど僕の欲求を掻き立てることはありません。

吉田類の「酒場放浪記」を見ていても、
このおっさん(吉田類のこと)、ホンマによう飲むなぁ、ぐらいの感想です。

そして、ろれつの怪しくなった吉田類を見て、こいつ、ホンマに酔うとる、と思うくらいです。


ところがそんな僕でも、一つだけ叶うことのなかった、そして今後も叶えてはいけない望みがありました。

結構、ちっちゃな望みです。

家から一番近い平和堂滋賀県に本拠をもつ、スーパーマーケットチェーン)のイートインコーナーで、
普通の買い物客から遠巻きに白い目で見られながら、ゆっくりと酒を飲む、という望みです。

そのちっちゃなイートインコーナーには、
アルコール飲料の持ち込み、お断りという張り紙があります。

でも、たまに、漬かり切ったおっちゃんが、ワンカップを静かに飲んでいます。

そこは街中ではありませんので、そのおっちゃんはホームレスではありません。

もちろん、姿かたちは十分に貧乏くさいっすよ。
それからおそらくは農作業で鍛えた肌なんでしょう、肌の色はホンマに漬かり切っています。

そんなおっちゃんが、風景としてはあまりよろしくはありませんが、
誰にも迷惑をかけずに、ゆっくりと時間をかけてワンカップを飲んでいます。

時には缶酎ハイのロング缶を楽しんでるおっちゃんもいます。

あんな風景の一部になってみたかったな、というのが、僕のちっちゃな望みでした。
というよりも、断酒者になってから、そんな望みをもつようになりました。

決して華やかな人生を送ったとは言えない完熟のおっさんが、少しだけ熟し方を間違えて、決して褒められることはない風景を形成している、なぜか、そんな場面の一部になってみたかったと思います。

この望みが残念なのは、

断酒者である以上、決して叶えてはいけない望みであること、

そして仮にかなえたとしても、その結果が少しばかり物悲しく残念であること、

の二つの残念さに結びつくことですね。


残念だけれど、そんな少しばかりはた迷惑なじいさんになるのも哲学でアートかな、とわがままにも思います。

叶えませんけどね。

はい、絶対に叶えません、そのためにも

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。