僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

4分33秒

飲酒歴40年、断酒歴800日と少し、芸術学専門家歴40年、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、ちゃんと仕事しなさい(せめて仕事のフリしなさい)・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


新年度が明けちゃいました。

今日は僕の勤める大学の入学式、
定員200名に対して、今年の入学者、239名、
文科省から怒られるギリギリ寸前の数字で止まりました。


でも、授業を担当する側からすると、かなり多いっす。

何しろうちの大学、受講生収容人員の一番大きな教室で、
定員、200名。

つまり、今年の新入生、全員を対象とした授業については、
最初から学生が教室からはみ出すこと、前提なんです。

ま、何とか補助いすとテーブルで対応できそうですけど。


んで、入学式です。

ひっさしぶりにスーツを引っ張り出しました。

僕は普段は、カジュアルなパンツとジャケットで、ネクタイを締めるというスタイルで授業を行っていますので、
ほんまもんのスーツを身に着けるのは、冠婚葬祭と、入学式、そして卒業式くらいです。

この前の卒業式は、香港に逃亡していましたので、スーツはタンスの肥やしでした。

ま、入学式、基本的には退屈です。

入学制の名前を読み上げ、一人ひとりが立ち上がりますので、
その時には、どんな子が入ってきたんやろうと少しだけ、
目をきょろきょろさせましたが、

あとは、
学長祝辞、
理事長祝辞、
祝電の披露(疲労?)と、
およそエンターテインメント性のないプログラムが続きます。

で、少しだけ実験を試みました。


現代音楽の古典的な問題作の一つに、
ジョン・ケージ作曲の「4分33秒」という曲があります。

これは、演奏者がステージに登場した後、
4分33秒間、一切演奏をしないという曲です。

常識的には、え、それで音楽なの?
と思われるでしょうが、

実際にCDも何枚か発売されていまして、
なかなか感動的な演奏もあるんですよ。


といいますのも、
演奏者が何も演奏しないことによって同席した聴衆は様ざまな音を聴くことになるんですね。

例えば、ホールの中の空気の流れの音とか、
聴衆が体を動かす際のわずかな音とか、
ホールの外部から聞こえてくる騒音だとか、
そして自らの心臓の鼓動音だとか。

つまり、
演奏者が音を提供するのではなく、
聴く側が積極的に音を探すことに、音楽的な意味を見出そうという、
そんな曲です。


で僕は今日の入学式の最中、
一人4分33秒を試してみることにしました。

つまり演壇上で話している人の声をできる限り無視して、
会場内に潜んでいる音に耳をそばだててみるという実験です。


途中までは、いろいろな発見がありました。

うちの大学は、二つの自衛隊の駐屯地の間にありますので、
遠くからヘリコプターの音が聞こえてきたり、

話に退屈してくると、腰を微妙にずらす、ごそごそとした音が聞こえてきたり、

近くを通る車の音だとか。


ところが、学長のあいさつの次の理事長のあいさつの途中から僕の記憶が消えました。


予想もされていたのですが・・・
しっかり居眠り状態に入っちゃったようです。

以前にも報告しましたが、
飲酒者の頃の僕は、居眠りをしませんでした。


断酒者となり、断酒ライフのリズムに体がなじんだことにより、
昼日中でも平気で居眠りができるようになりました。

今日も、せっかくおもろい実験を続けていたのに、
やっぱり寝てましたわ。


っていうか、お偉いさんの話をちゃんと聞かないこともとんでもないですが、
その最中の遊びのために寝てしまうなんてのは、
給与受給者としてあってはならない行為ですよね?


断酒ライフに入門していいことばかりなのですが、

どうやら社会人としての心根は悪くなったようです( ´艸`)。

めでたしめでたし。

めでたいのでいつものように

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。