飲酒歴40年、断酒歴7年と2カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。
本日もリスボンの、結構面倒な問題です・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。
今日はちょっとばかり、難しい問題です。
話題の提供元は、眠剤使用障害とともに暮らす、僕のクソおやじです。
一昨年、5回にも及ぶ茶番自殺未遂騒動を起こしてくれたクソおやじ、
今は、食事の提供のあるサービス付き高齢者住宅に放り込んであります。
以前からなのですが、親父は便秘気味であることを施設のスタッフに訴えます。
そして腰痛持ちでもありますので、形成外科の先生のお世話にもなっています。
認知症が進行しているようで、自身の便通についても記憶があいまいになってきています。
形成外科の先生は、施設のスタッフに、
MRIを含む、脳の精密検査を受けさせることを提案されました。
クソおやじはもう一人、心療内科の先生にもお世話になっておりまして、
現在、眠剤等はこちらの先生の処方に従っています。
そこで、形成外科の先生のご意見をこちらの心療内科の先生にもお伝えし、
大病院での診察の紹介状を作成していただこうということになりました。
今日はその心療内科の先生の診察日で、
こちらには僕も送迎も兼ねて同席します。
そして今日、こちらの先生から、
わざわざ精密検査を受信する必要はないというアドバイスをいただきました。
先生は対面での診療を通じて、親父の認知症の進行については十分に留意されており、
その上でのご判断であったと思います。
僕としましては、精密検査の手続きを始め、
検査に同行する等の面倒の必要が亡くなり、助かりました。
今回の一連の流れを振り返ってみると、
二人のドクターの意見が異なっていたということ、
施設のスタッフは、福祉の専門員という立場から、
医療の専門家の判断に従わざるを得ないこと、
そしていざという時に、アドボケートとして決断をしなければならない僕の立場も、
お二人の先生、施設の福祉スタッフとも異なるということ、
このような異なるポジションからのそれぞれの考え方が、
少しだけ齟齬をきたした事例と言えそうです。
当事者にとって何が最良の解決なのか、
それは家族にとってはどうなのか、
そのために福祉の専門家には何ができるのか。
そして現在の制度では最も発言力の重さが置かれている医療の専門家はどう考えるのか。
恐らく、答えは一つではないでしょう。
お医者さんの立場一つとっても、
対症療法を重視されるのか、長期的な視点から治癒に向けての方針を考えるのか、
薬剤の処方に可能性をかけるのか、生活指導等に重きを置くのか、
そして当事者の精神的な負担や満足度をどのように評価するのか。
今回、僕が遭遇した事例は、実質的には何らのトラブルも伴っていません。
でも、医療全般にかかわってくる問題であり、
特に高齢者医療の現場では、様ざまな事例があることでしょう。
そして僕たち、アルコール使用障害当事者にとっても、他人ごとではないと思います。
例えば、閉鎖病棟への入院治療においては、
障害当事者の人権と判断力の行使の問題がかかわってきますし、
さらに家族の立場や負担の問題ものしかかってきます。
簡潔な論理で解決できる問題ではありません。
アドボケートとしての立場と、当事者としての立場、
そして障害学を多少なりともかじった者としての立場も含めて、
考え続けていきたいと思います。