僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

終わりの見えないマラソン

アル症ですが飲んでいません、肝硬変ですが元気です。
昭和のおっさん丸出しですが、平成のにーちゃん、ネーチャン相手に楽しく奮闘しています。
リスボン、57歳。

本日も変人・わがままリスボンの、傍若無人・ノープラン・ブログ、ご訪問、ありがとうございます。

将棋の竜王戦、今日(15日)、まさに最高に爽やかな秋晴れのもと、京都で始まっているんですよね。
ディフェンディング・チャンピオン、渡辺竜王にも、
繰り上げ挑戦者、丸山九段にも、素晴らしい将棋を見せて欲しいと思うばかりです。

今回の三浦九段のスマホカンニング疑惑、
すっきりしない形で中途半端なまま、幕切れが図られそうな雲行きです。

何回かの対局で、終盤に1手ごとに中座していた三浦九段に対する疑惑、
本人は否定していますが、晴れないままです。

何よりも将棋連盟が、表向きの理由は異なるとはいえ、処分を決定しています。
表向きの理由とは、休場届を期日までに提出しなかったということですが、
それだけの理由で、半年間出場停止というのは、重すぎるでしょう。

また、ハッシーこと橋本九段のように、三浦九段は疑惑に対して真っ黒であると主張する棋士もいます。
人気者であるハッシーのツイートは、衝撃的でした。
(現在は削除されているそうです)

僕は、三浦九段の白を信じたい。
でも、終盤で1手ごとに中座するというのは、将棋の指し方としては異常です。

何れにしても白黒はっきりさせない将棋連盟の姿勢には、納得できません。

ところで、今回の疑惑とは基本的には関係がないのですが、
多くのマスメディアが、今回のスキャンダルを一つのきっかけとして将棋や将棋界について取り上げるようになりました。
それはそれで、良いことだと思います。

社会のほんの一握りの、超天才集団、プロ棋士

棋士の登竜門である奨励会
都道府県のトップアマチュア棋士よりもはるかに強い少年・少女棋士がそこに入会し、しのぎを削ります。

そして奨励会の厳しい昇段ピラミッドを駆け上がったごく一部の超天才だけがプロになることを許されます。
プロ棋士も、大半は名人戦への挑戦権を争う、A級八段になることはないのです。

そんな厳しい将棋棋士会で、長年にわたってトップの座に君臨し続けた、羽生善治3冠。

棋士同士の間でも、⚪︎チガイと呼ばれるほどの、超越的な頭脳の持ち主です。

その羽生3冠も、トップ棋士としては、かなり年齢を重ねてきました。
当然、若い頃の記憶力やひらめきは期待できません。
その中で今なおトップ棋士としてあり続けることの心がけとして、こんな風に語っていました。

「ある意味で適当に切り替えを図ること」
一つのことにこだわることは大事です。
でも過ぎたるは及ばざるが如し、一つのことにこだわりすぎると他にしわ寄せが行きます。

それから
「とりあえずは目の前の目標にこだわること」
長期的にすべての棋戦について考えると、思考も気持ちもパンクすることでしょう。

なんか、僕たち、アル症と共に暮らす、断酒者にも当てはまりそうですね。

酒を飲んだらあかん、という目標に呪文のように縛られると、生活の他の要素から意識が遠くなります。
皆さんも指摘されているように、瞬間断酒、1日断酒、その繰り返しでしかないですよね。

そういう意味では、断酒ライフは、ゴールを知らされていないマラソンのようなものでしょう。
このマラソンを継続することは、それぞれの瞬間瞬間を考えると、それほど困難なことではありません。
でも、何年間マラソンを継続する、1年を目指す、といういった具合に目標を設けてしまうと、途端に脅迫的なプレッシャーが生じます。

僕たちは、死ぬまで生きるんです。そして生きている間は、ご機嫌さんで過ごすんです。
僕たちがご機嫌さんで過ごすことで、周囲のみんなにもご機嫌さんで過ごしてもらうんです。
そのためにすべきことは、単純明快。
その時、その時ごとに、酒を飲まないことです。
イッツ・シンプル。

というわけで、皆さん、そして僕も、今日も明日も、ご機嫌さんで
シンプル・マラソン・ライフ、継続していきましょう。