僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

学会の次の日の授業

アル症・肝硬変、しっかり生きています、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、ギャップも楽し・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


昨日も記しましたように、
昨日、一昨日と、障害学会という学会に参加してきました。

これまでもいろいろな学会への参加について書くことがありましたが、
僕の生活の中で学会への参加は、
かなり特別な意味をもちます。

僕は芸術系の大学に勤めており、
主に美術史の文脈からデザインの問題について講義を行い、
語学を指導し、
大学での学習への導入科目を担当しております。

いかにもいわゆる芸大と呼ばれる組織の中で重要な授業を担当しているようにも見えますが、

大学内部での扱いは実は異なります。

芸術系の大学でえらそうな顔をしているのは、
実際にモノづくりについて指導する、実習を担当する教員たちです。

彼らの多くは、現役のデザイナーやアーティストです。
ただし連中が、一流のデザイナーやアーティストであるかどうかは、はっきりと、クエスチョンマークです。

ですから僕は大学では、若干のアウェイ感の中で仕事をしています。

学会に参加しますと、このアウェイ感からはかなり解放されます。

普段僕が一番エネルギーを注いでいる感性で行動することが、2日間、許されます。
あるいは、同じ価値観やリズム感をもった人たちと、2日間、行動を共にし、語り合います。

いろいろな学会があります。
僕は、普段は抑圧されている僕の学術的欲求が解放される学会に参加するようにしています。

知的な刺激にあふれる、楽しい二日間です。

しかし、今日は月曜日、現実に帰らなければなりません。

今日の僕の授業は、2時間、どちらも英語です。

芸術系大学の英語の授業、すんごいですよ。
なめとったらえらい目にあいますよ。

何がすごいかというと・・・

学生たちの基礎学力のすばらしさです。
素晴らしく低いんです。

君ら、ホンマに高校、卒業したんか、というレベルです。

いやもっと言えば、高校って入学試験あったよな、というレベルです。

中学、高校と英語をはじめとする語学の学習に手を抜いてきた若者たちに、
これからのデザイナーやアーティストにとって、英語は必要だぜ、ということで指導します。

が・・・

正直言うと、楽しいですよ。
彼女たちの目は輝いています。
ただし、基本的な文法力も語彙力も、中学1年生以下。

学会に参加した二日間とのギャップに、やや苛まれます(半分、嘘)。

しかし、仕事が与えられているうれしさを素直に喜び、楽しむことが大事でしょうね。

皮肉ではなく、21世紀の日本の若者たちの実際に触れているにすぎないのです。

僕たち過去の遺物は、過去の遺物として未来のエネルギーに薬を注入することができます。

時に美味しい薬を提供し、時に少し痛みの伴う注射をうち、そして時には大手術も施しましょう。


時代遅れも甚だしいですよ、と拒否されるまでは、若者たちに毒を盛り続けます。


怪しき祈祷師であり続けるために
皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。