僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

木綿のハンカチーフ

飲酒歴40年、断酒歴2年と2か月、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、涙、涙のノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


毎日、書いていますが、
ホンマに春がやってきました。

ただ今年の春は、花粉がきつめな気がします。

っていうか、僕の花粉症発症が近づいているだけかもしれません。
でも、朝、ワン姫様と散歩に出るために玄関を開けたとたんに、

う~わっ、たまらん、

ってなりますもん。

しかし暖かくなってきたのは助かります。


さて仕事の帰り道、ラジオで偶然、太田裕美の名曲、
木綿のハンカチーフ」が流れました。

この曲、僕たち、アラシックス世代にとっては、
ともに同世代であることを確認するための、
リスニング・アイコンとでもいうべき歌です。

リリースされたのが僕たちが高校1年生の冬、
実際に大ヒットしたのが高校2年生という、
人生の中で最も感受性が鋭く作用する年ごろでしたから、
ホンマにバイブルにも近いような重みをもっています。

就職で都会に出て行ってしまった恋人、
最初の頃は田舎に残った彼女のことを大事に考えていましたが、

徐々に都会の色に染まっていき、
最後には、
僕はもう帰れない、
と別れを告げます。

田舎に残った彼女は、最後の贈り物として涙をふく木綿のハンカチーフを送ってくれという歌詞で、
曲は終わります。


今でいう、遠距離恋愛のハンデに負けてしまったカップルの別れがテーマですが、
しかし時代が何といっても違います、
スマホはおろか、携帯すらも、いや、テレフォンカードすらもまだありませんから、

遠くに住む恋人との気持ちのやり取りは、
手紙に頼るしかないのです。

家庭用電話だって、
一家に一台、家の中心に、クッションの上かなんかに鎮座ましましていた時代ですからね。
それも真っ黒けのやつが。


で、運転しながらだったのですが、
ひさびさの「木綿のハンカチーフ」、
泣いちゃいました。


僕はもともと涙もろいほうですが、
しかし、今日は参りました。

オンオン泣いたとは言いませんが、
ぐっと来ちゃいましたね。

多分、高校生の頃の楽しみ方とは異なる解釈ができていると思います。

先ほど、高校2年生、最も感受性が鋭く作用する年ごろと書きましたが、
しかし、
ラシックスだって負けていません。

いや、アラシックスまで生きてきて、
高校生では到底経験できないような様ざまなことに出会ってきてます。

また異なる感傷があります。

もちろん、年の功がもたらしてくれる冷めた視点ももっていますよ、

でも、明らかに家族に迷惑をかけ、
自分自身も多少なりともつらい目にあったことによって、
若者独特のわかりやすい感傷からさらに発展した、
大人としての感傷を感じるてことができているはずです、僕たち、アル症者は。

前をしっかり向いていくのも人生、

でも後ろを向いて甘酸っぱさを振り返るのも人生。

感受性と思考力だけは、
いやもちろん体力も、
しっかりキープしていきましょう。

そのためにもいつものように

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。