僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

Kさんの笑顔

飲酒歴40年、断酒歴2年と9か月、不良初期高齢者、リスボン、(ホンマにまだまだ)59歳。

本日もリスボンの、今日のお土産・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。


話はいきなりですが、
昨日に戻ります。

昨日は、
昨年から関わっている滋賀県の障害者の作品展の最終選考会があり、

展示担当者として立ち会ってまいりました。

そして今年も、
どうやって展示すればいいのか、悩まされる作品がいくつかありました。

特にその中の1点は、
あまりほかに例を見ない、ユニークな作品で、

もちろん、制作当事者の方も、
それからアドヴォケイトの施設の職員さんも、

展示の方法については、はっきりとした方針をお持ちではないようでした。

僕はその作品に無視できない可能性を感じ、
何とか魅力を最大限に引き出せる展示方法はないかと考え始めました。


で、まず、僕の考えたはじめの一歩は、

もう、直接、作者とアドヴォケイトの方に会いに行こう、というものでした。


ADHD型自己チュウ思考、炸裂で、今日、早速訪ねてきました。


ご本人にも会えましたし、
もちろん、アドヴォケイトの方からもかなり詳しいお話を伺うことができました。

そしてさらに嬉しかったのは、
制作の現場に立ち会うことができたことです。

作者は、
月捲りタイプのカレンダーを、
一日ごとに丁寧に切り取り、
また別の紙に張り替えていくというその作業を、
一心不乱に続けてらっしゃいました。

少しばかりこの作品の魅力の秘密の一端を知ることができましたが、
さぁ、どのような展示が良いものか、

僕に課せられた課題は、
一層、難しくなりました。

しかし、とても挑戦心のくすぐられる、
素晴らしい仕事に出会うことになったようです。



もちろん、この方の制作を見学できたことも今日の収穫でしたが、
実はもっと豪華なお土産もいただけました。


今日、お邪魔した施設の利用者は、
基本的には知的な障害とともに暮らしている皆さんです。

今日は、全員がものつくり活動に取り組んでらっしゃいまして、
先のカレンダー・アーティスト以外の皆さんは、
粘土による自由創作を楽しんでらっしゃいました。


そして今日の利用者の最高齢と思われるジェントルマン、
今、Kさんとおよびしますが、

Kさんは、粘土でそれは細かいパーツを作り、
それらを積み上げて、形を作っていきます。

Kさんの粘土造形に取り組んでらっしゃる時の笑顔のすばらしさ、

僕の文章力では表現できません、

でも、年齢を重ねたシワの美しさと、
今、生きていることを無邪気に楽しんでらっしゃると思われる表情のパーツの一つ、一つ、

そのお顔は、Kさんが、
僕たちのようなハンチクな初期高齢者には、到底到達することの叶わない、素晴らしい境地に届いてらっしゃることを、
ずばり表していました。


Kさんの天使のような笑顔を拝見できたこと、
そしてもちろん、そのKさんともお話ができたこと、

障害者福祉の世界に少しでも関わらせてもらえていることの楽しさ、
嬉しさ、
そして幸せを感じました。


僕は、ホンマに、死にまっしぇん。



ですので今日も、

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。