僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

気もちを使った一日

飲酒歴40年、断酒歴7年と9カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、気疲れ・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

本日のタイトル、「気もちを使った一日」、

ちょっと変な言い回しですよね。

「気を使った一日」なら、一日中、いろいろな誰かに忖度したおして疲れた、という感じですが、

そうではないんです。

 

普段は経験しないような感情の起伏が、

一日の中で何回か訪れ、

その結果、いやな感じではないのですが、かなり疲れてしまったといったところです。

 

最初の感情爆発モーメント、

2講時目の講義時間の最初に訪れました。

 

先週、同じ講義の最期に、授業時間中、ずーっとイヤホンをつけていた学生を怒った話をしましたが、

20世紀のオッサンはマジで怒る - 僕のワンノートサンバ (hatenablog.com)

今日の授業の開始時に、世代の感覚の違いも考慮に入れながら、

人の話を聞くときにイヤホンをつけているということは、

相手を侮辱することにつながりかねないので注意するようにという話を、

教室の全学生に話しました。

 

ふと階段教室の最上部の席を見ると、

一人の男子学生が、イヤホンを装着したままでした。

何という呆れたやつだと思いながら、その厚かましさにまた腹が立ちました。

教壇から怒鳴りつけましたが、当の本人は全く気にするそぶりがありません。

さらに腹が立ち、彼の近くまで歩み寄り、イヤホンを外すように指示しました。

この段階で彼も気がつき、イヤホンを外しましたが、

僕の「出て行ってくれ」という指示には従いませんでした。

僕は彼のパソコンを取り上げ、そして名前を確認したうえで、

単位を認めないと告げました。

 

彼はこの僕の最後通告にも、あまりはっきりとした対応を示さず、

座席に座ったままでした。

 

実はこの学生は、中国からの留学生でした。

どうやら彼は、最初から最後まで、僕の怒りのメッセージを理解していなかった。

彼の日本語力は、ジィサン教師の激怒すらもキャッチできないレベルだったのです。

 

日本語での学習についていけないどころか、

日本語での日常生活も怪しいレベルの留学生を、僕の勤務先の大学は、

学生として受け入れているのです。

 

通常の感情レベルに戻って講義を始めるべく、気もちを落ち着かせようとしましたが、

少しばかり時間を要してしまいました。

他の学生たちには迷惑をかけたと思います。

 

件の留学生は、最後まで教室にいました。

そして授業終了後、怪しい日本語でしたが、

謝罪の気もちをノートに書いて僕の下に来ました。

もちろん、彼の謝罪文は不十分なものでしたが、

謝罪の気もちを受け入れ、頑張って授業を聞くように伝えました。

 

2発目の感情爆発モーメントは、2部に分かれてやってきました。

 

昨日、毎年、取り組んでいる県内の障害者作品展の展示計画に関する困りごとについて報告しましたが、

専門家としての不安 作品の展示という専門技能 - 僕のワンノートサンバ (hatenablog.com)

今日、問題のある作品を応募されてきた施設の方に電話で連絡を取り、

このままでは作品の展示が不可能であることをお伝えしました。

 

その電話で先方の担当職員さんと、少し口論口調になってしまい、

どうやら電話口で泣いてらっしゃるようでした。

実はその施設は、僕の勤務先の大学の近所ということもあり、

直接、面会に伺うことにしました。

 

1時間ほどしてから、件の施設をお訪ねし、

当の職員さんとお会いし、善後策を相談しました。

 

どうやら、現在、お抱えになってる仕事がやや過重負担になってらっしゃるようで、

お気もちが過敏に反応されてしまったようです。

 

障害とともに暮らす人びとの作品を公開し、展示するという仕事については、

僕と同じ情熱をおもちの方であることが分かり、具体的な相談を進めることができました。

 

僕の昨日の予想が少しばかり当たっていたようで、

美術作品はこうあらねばならないという、先入観に縛られて、

少しばかり、自らがんじがらめになり、プレッシャーに押しつぶされそうになっていたようです。

 

30分ほどの面会を通じて、積極的な解決策を探っていくことで合意が形成できました。

かなり疲れましたが、

しかし建設的な方針を共有することができたことにホッとしました。

 

 

人の気もちと関わる仕事は、疲れます。

でも人の気もちと関わらなければならない仕事は、時に幸せの種をくれます。

幸せの種を探しながら、断酒ライフ、継続あるのみです。