僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

ネーミング(ラベリング)の功罪

飲酒歴40年、断酒歴4年と4か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、意外にマジメな話・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

ライブハウス、

そして夜の繁華街。

どちらも新型ウィルス問題の中で、

クラスター感染が起きた場所として話題になることが多い場所の名前です。

 

ライブハウスについていえば、

たしか3月くらいでしたっけ、

大阪の1軒のライブハウスでクラスター感染が確認されてから、

全国のライブハウスに対する世間の目が厳しくなりました。

そして僕たち、ローカルなジャズ・ミュージシャンが活動の場にしているような、

小さなジャズクラブも同じようにみられました。

 

そして夜の繁華街という言い方ですが、

最近、発生した、

新宿の歌舞伎町のホストクラブを震源とするクラスター感染について、

何故か多用されるようになったような気がします。

 

どちらの言葉も、

クラスター感染の起きた場所について、

もっと簡潔に一般の理解を得るために用いられたネーミングですが、

しかしどちらの言葉にも結構、面倒な問題が潜んでいます。

 

例えばライブハウスについていえば、

僕たち、ローカル・ジャズ・ミュージシャンが活動の本拠にしているジャズクラブも、一般にはライブハウスに含められて理解されるようですが、

しかし、ジャズクラブと、クラスター感染が起きたしまったようなライブハウスは、

どちらもミュージシャンがライブ演奏を行うということ以外には、

案外、空間的な面からも、営業的な面からも、共通性は少ないです。

ジャズクラブでは、まず三密のうちの、密集は怒りません。

そして店によっては密閉も起きていないことも少なくありません。

ジャズクラブはの多くは、感染症拡大の危険性という観点からは、

通常の喫茶店やレストランと何ら変わることはないのです。

 

そして夜の繁華街という言葉ですが、

これもホストクラブやナイトクラブのように、

従業員による密接な距離感でのサービスが提供される場所について、

その性格をややぼかすために用いられている言葉のような感じが否定できません。

 

今回の新型ウィルス感染症問題においては、

新しく用いられ始めた言葉、

そしてそのネーミングやネーミングに起因する誤解も含む一般の理解に関して、

無視できない問題が多く発生したように思います。

 

いつの間にか「コロナ」という言葉が、悪役のように定着してしまいましたが、

この言葉を商標の一部に用いている企業は少なくありません。

しかしマスメディアも含めて、あまりに多くの人が「コロナ」という言葉が、

不要にして深刻な差別の原因になり得るということについて、

無神経すぎます。

 

新しいネーミングは、もちろん、誰かの意志によって決定されるものではありません。

問題やできごとの由来、語感の問題、

そして発話や表記の際の効率性の問題等が複雑に絡み合って、

徐々に一つの言葉が概念として成立していきます。

 

でも今回の新型ウィルス感染拡大問題に際しては、

あまりにも無神経で乱暴な言葉が少なからず用いられてしまったような気がします。

きっと10年くらいすると、

社会言語学あたりの専門家が取り上げてくれることでしょう。

その時、このブログも、資料元として気付いてもらえるかな。

 

ということで?まだまだ、死ぬわけにいきませぬ。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。