僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

裕次郎を賛美するかぎり・・・

飲酒歴40年、断酒歴4年と5か月、不良初期高齢者、リスボン、61歳。

本日もリスボンの、ちょっとアラート・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

一般の方はおそらく気がつかないことでしょうけど、気になりました。

 

今日の夕方、読売テレビの情報番組、「テン」で、

ほんの少しだけですが、

石原裕次郎が取り上げられました。

吉永小百合が未完の自主製作映画の主題曲のプロモーションについて、

石原裕次郎に相談していたというエピソードが紹介されただけです。

 

でも僕には、コーナー内での石原裕次郎の取り上げ方について、

少しだけいやな感じで刺さってしまいました。

裕次郎が昭和の芸能界の頂点に輝く、名優であり、

名歌手であるかのように紹介されていました。

 

そのような取り上げ方は、多分、間違ってはいないのでしょう。

裕次郎の出た映画は見たこともありませんし、興味もありません。

それから裕次郎の歌が上手いと思ったことは一度もありません。

でも、昭和を懐かしむ人びとの意識の中で彼は、ヒーローのひとりなのでしょう。

 

しかし僕たち、アルコール使用障害当事者にとって石原裕次郎は、

過度のアルコール摂取によって、アル中の定番年令、52歳で亡くなった、

恐らくは使用障害当事者であったことが疑われる、人物です。

 

今風の言葉を使えば、

昭和のイケメン、少年の純粋さ、青年のたくましさ、

そして壮年の奥深さを全て備えた、

最高にカッコイイ男ということになるのでしょうが、

裕次郎が映画や歌謡曲の分野で残した足跡、それらはそれらです。

 

彼が過剰な飲酒によって死を早めたことは事実であり、

石原裕次郎は、

アルコールが人生に及ぼす負の影響を最大限、体現してしまった人物です。

 

多くの人びとは、危険な薬物としてのアルコールの可能性については、

あまり注目しようとはしません。

もちろん、ほとんどの人が、表面的にはバランスの取れた飲酒行動をとっています。

しかし、僕たちのように、バランスを失った飲酒行動によって、

脳や内臓に取り返しのつかないダメージを追ってしまった人間も、

決して少なくはないのです。

僕たちは、僕たちと同じ轍を踏んでしまう可能性のある若者に対して、

少なくとも、声をかけてあげるべきでしょう。

僕たちの声は届きにくいとは思いますが、

しかし、僕たちにしかできないことでもあります。

 

石原裕次郎のあまりにも危険な酒豪としての側面について注目しないのは、

多くのメディアが気付かずに犯している、瑕疵だと思います。

僕の見方はおかし過ぎるでしょうか。

でも、52歳で亡くなった疑わしき有名人、

結構、多いんですよね。

大きな声をあげる必要はないと思いますが、

僕たちにしか語れないことがあると思います。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。