僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

今日も今年の振り返り オンライン授業編

飲酒歴40年、断酒歴4年と11か月、不良初期高齢者、リスボン、レベル62。

本日もリスボンの、一年を振り返る・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

Sars-Cov-2 とともに過ぎようとしているこの一年、

まとめようもありませんが、今日も断片的に振り返っておきましょう。

特に今日は、オンライン授業について。

 

僕が大学で担当している科目のうち、

6月くらいから教室での対面授業が再開された科目については、

とにかく、学生ともども、ここぞとばかり、楽しみました。

 

もちろん、問題なのは、

30年以上にわたる大学での教師活動の中で初めて経験した、

遠隔授業というやつです。

 

たしか3月くらいだったと思いますが、

文部科学省から遠隔授業のガイドラインに関する通達がありました。

そこでは、オンライン技術の活用が容認されましたが、

単なる一方通行の垂れ流し放送にならないように、

学生と担当教員との間の双方向的なやり取りの担保が要求されていました。

しかしそれも、メイル等のやり取りでもOKということになっていました。

 

そこで僕は、大学の事務方のスタッフとも相談しながら、

同時的な双方向性はあきらめ、

オンデマンドによる授業動画の公開+学生からのミニレポートの送信

という形式で講義科目を行うことにしました。

 

他の同僚は、

学生にPDFによって授業資料を提供し、

その資料の学習を求めたり、

いわゆる同時的な双方向性を確保できる、

Meet や Classroom といったアプリケーションでの授業展開を行ったりしていたようです。

 

でも、やや手前味噌ですが、

僕の無観客ライブのオンデマンド動画公開は、

学生たちにはおおむね好評だったようです。

 

まずオンデマンドであることにって、

学生たちが好きな時間に授業動画を視聴できた点がよかったようです。

 

それから僕は、無観客での動画撮影を行いましたが、

できる限り目の前に学生たちがいるようなマインドセットを保ち続けました。

場合によっては、いもしない学生に質問を投げかけたり、

そして時には、織田信長徳川家康が教室にいるかのように振舞いました。

もちろん、あざとい受け狙いですが、

学生たちはちゃんと忖度して、面白がってくれたようです。

 

結局のところ、僕は、従来の授業方法のままにやり続けたわけです。

 

僕が新しいメソッドに取り組まなかった理由は、主に二つあります。

 

一つ目。

賞味期限が迫っているポンコツ老害教師にとって、

新たな方法論の習得は、コスト面で割に合わないだろうなという、姑息な予測です。

そして二つ目。

一つ目と本質的には同じ理由だと思いますが、

新しいデジタル技術に身を預けることがどうしても許せなかった。

たとえ便利であろうとも、

新たな技術に身も心も売り払う気にはなれなかった。

要は、古臭いやつなんです。

新しさの克服に伴うストレスに堪えられないことが明らかなんです。

 

僕のこの開き直りを、怠慢であると非難する向きもあると思いますし、

その非難も部分的には正当でしょう。

でも僕の、どうしても納得できない抵抗感にも、意義を認めてほしい。

 

結局のところ、Sars-Cov-2 騒動は、

個人の尊厳の重要性を再確認する機会になったと思います。

 

殆どの人にとって辛い一年になりましたが、

でもきっと意味もあるはずです。

もう少し、そんな意味や意義について、考えてみたいと思います。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。