僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

最高学府?の辛さ

飲酒歴40年、断酒歴2年と6か月、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、愚痴です・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


今日はAO入試というやつをかましてきました。

まずこのAO入試という制度について、
僕の勤めている大学の事例を説明します。

一般にAO入試と呼んでいますが、
正確には入試ではありません。

8月になったばっかりなのに、入学試験を行ってはいけません。

今日、従事してきましたのは、
正確には(といっても正確かどうか不安ですが)AO入試応募のための体験授業です。

高校生を中心とした受講生には、
こちらの用意した体験授業を受けてもらいます。

そして僕たち判定にあたる教員が、
受講生の授業参加態度を中心に評価します。

一応、合格?という判定を得た受講生は、
11月の正式なAO入試に応募することができ、
その時、大学側は、今日の体験授業の判定をもとに入学許可を与えます。

ですので、
形式的には入試は11月ですが、
実質的には今日の体験授業に対する判定が合否を決めます。

ほとんどの大学が専願での受講を義務付けています。

専願ですので、ほかの大学の受験は放棄していただきます。


つまり大学側にとっては、
入学者を最も早く確定できる入試?であり、

受験生にとっては、
早くも8月の段階で受験勉強を終えることができる、
美味しい制度?です。


で、ここから先ですが、声をひそめて語りますので、そのおつもりでお付き合いください。

こんな入試制度?ですので、

正直言います、

受験に最も不安な受験生が集まる入試です。


もっとずばり言います、

君たち、ホンマに高校いってんのか、
あるいは、ホンマに中学、卒業したんか、
あるいは、小学校行ったか、
というレベルの若者が多く受講します。


もちろん、もっと実力や学力がありながら、
うちの大学が第一志望で、早く進路を確定させたいという受講生もいます。

しかし、多くは、基本的な学力に難がある高校生が多いのが実情です。


僕の勤める大学はまだ美大ですので、
学力が劣っていても、アートやデザインで一定の学習成果を上げることは期待できます?

(?を付けたのは、ホンマに優れた作品を制作するためには、基本的な学力は本来、必要だからです。)


僕の勤める大学のような、中小の私学は、
高等教育機関ならびに研究機関としての社会的役割を果たすことよりも、
まずは入学生を確保して経営の安定を図らなければなりません。

したがって今日の体験授業で素晴らしい学力の片りんを見せてくれた若者にも、
門をくぐっていただく必要があります。


そしてもう一つ、面倒なのは、
そういった若者たちの少なくとも過半数は、
4年後にはどこかの企業に押し込まなければならないのです。


入試でおおあまの王子、
入学してからは基本的な学力ドリルを何とかクリアさせる、


これが日本の過半数の最高学府の実情ですよ。


今日の話は少しだけ誇張しました。

しかし全くの作り話ではありません。


世間の皆さん、

中学校や高校の先生方も大変なのですが、

僕たちもかなり吉本新喜劇な毎日を送っています。


後、5年半、

でも楽しむぜ!


いつもの無駄にポジティブなリスボンに戻ったところで、

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。