僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

たまには仕事の愚痴

飲酒歴40年、断酒歴3年と7か月、不良初期高齢者、リスボン、60歳。

本日もリスボンの、たまには組織人として・ノープランブログ、ご訪問ありがとうございます。

 

僕は大学で教えています。

大学の教師という仕事、多分、僕にとって、天職に近かったと思います。

人前で話をするのは好きですし、得意です。

難しい理屈をこねまわすのも、

難しい理屈を書いてある文章を読み解くのも、

苦になりません。

 

ただ時々、このブログでも愚痴っているというか、告ってますが、

僕は組織的な業務は苦手です。

それからお金の管理をはじめとする、

いわゆる総務的な事務仕事は無茶苦茶、下手です。

 

ですので勝手に僕の仕事ぶりに10点満点で通信簿つけるとすると、

 

授業の教え方 8点

研究の独創性 7点

研究による社会貢献 8点

組織内での管理業務 4点

組織内でのチームワーク維持に対する貢献度 2点

 

てな具合で、かなり偏った社員だったと思います。

 

そんな僕もあと4年半で、お払い箱、

めでたく?定年を迎えます。

僕の授業や研究については、誰にも引き継ぐことはできません。

究極の個人仕事ですので。

しかし、一応大学内組織構成員として、

大学の管理業務や学生指導の大きな方向性については、

後輩たちに何かを残す必要はあるでしょう。

 

この頃考えているのは、

学生指導の方向性について、何か大学に残せるものがあるかどうかということです。

 

時々、このブログでも愚痴っていますが、

今の大学生の基本的な教養や学力、

ほれぼれするような連中が少なくないですよ。

漢字はもちろん、書けない、

英語の基本的な構文も全く理解できない、

多分、四則計算も怪しいやろうなぁ、あの子ら。

 

ところが僕の勤めている大学は美大ですので、

そういう鍛え替えのある?若者もいますが、

ホンマの意味でほれぼれするような学力や意識の高さを兼ね備えた学生たちも、

少なくありません。

 

今、僕が後輩たちに伝えるとすれば、

能力の高い若者と、やる気も基本的な学力も怪しいガキどもを、

どうやって同じ学校の枠の中で指導するか、

実はこの課題はほぼ解決不可能であり、

大学として一定の方針を決める必要があるという、

厳しい状況についてでしょう。

 

美大とはいえ、社会に対する関心をもたせる必要がありますので、

例えば新聞を一つの教材として、ディスカッションを行わせます。

その時、漢字を読まない、というよりも文章を読むという基本的な訓練を積んでこなかった若者をどうするのか、

そのような若者に対する親切な指導をしている間に、本当に優秀な学生たちの勉学に対する意欲をそぐことになりはしまいか。

ホンマに悩ましい課題です。

学生確保のために、殆ど特別支援学校的な感覚で学生たちを受け入れるのか、

それとも大学としてのクォリティーを高めるために本当に優秀な学生の指導に力を入れて、ついていけない若者はかわいそうではあるけど、放置するか。

 

僕の意見は、後者です。

高校までろくに勉強しなかった若者たちの潜在的な可能性を開発し、花を開かせるためには、4年間では無理。

ですので、残酷ですが、そのような若者に対しては、同じ条件での学習の機会は提供しますが、ついてこれないのは本人の努力不足ということで、置き去りにします。

 

組織への貢献度の異常に低い定年間近の偏屈じじぃの意見を誰が聞くのかという問題もありますが、

もし訪ねられれば、この残酷な考えを伝えます。

 

僕は若者が嫌いではありませんが、

しかしここ10年ほどの若者たちを見ていると、

こどものころからあきらめを学んでしまった、寂しさを感じます。

彼らに対するエンパワメントの機会を奪ったのは、

僕たちの社会ですが、

この観点については、また機会を改めて考えましょう。

 

大学教育という特殊な業界に身を置いてきたおっさんの愚痴、

今後もたまには付き合ってください。

 

いつもの気合だけはいつも通り、お願いします。

 

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで

LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。