僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

思わず1人称複数

飲酒歴40年、断酒歴2年と4か月、不良初期高齢者、リスボン、59歳。

本日もリスボンの、仕事の一コマ・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。


おかげさまで、
窓際族ですが、

窓際は窓際なりの忙しさに追われています。

僕の場合、何が忙しいかというと、

正課の授業の準備や授業後の整理作業もそれなりに負担なのですが、

それプラス、

様ざまなことで学生たちとかかわってしまうことでしょう。

この学生とのかかわり、

広い意味での学習に関する相談から、
もっと個人的な相談、

そして最近、少し増えてきたのが、音楽に関する相談です。

ま、この頃、学内でもピアノを弾くことも増えてきてますので、

あの先生はホンマにミュージシャンなんや、

という学生たちの認識が定着してきたということでしょう。


さて、今日も一人の学生の、少しばかり真剣な相談ごとに乗りました。

彼女は僕の授業を2科目履修しているのですが、
ここひと月ほど、顔を見せませんでした。

彼女は以前からなのですが、

精神的な疾病とともに暮らしており、
病状が少し悪化すると、学業はおろか、
大学に顔を出すこともできなくなります。

で今日は、たまたま、具合が良いということで、
今後の学習の進め方を中心に相談に来たということです。


もちろん、僕が彼女のメインの相談相手ではありませんよ、
すでに4年生になっている彼女は、
所属するゼミもあり、
主担として指導に当たっている先生もいはりますし、
職員の皆さんも、心身両面から支援に当たっています。

ただ今日は、僕の授業の履修に関する相談ということで、
少し時間をかけて話をしました。


で僕は、僕の病気については大学には公式には伝えていません。
僕のアル症について知っているのは、
教員でお二人いらっしゃるだけです。


ですが、
やはり精神疾患とともに暮らしている若者と話をしていると、
例えば、ドクターとのかかわり方などで、
僕の経験からアドバイスをすることにもなります。

その時は、
僕は障害学という研究分野にかかわっているので、
精神障害の当事者のことについてある程度、専門的に知っていますよ、というスタンスで話をするのですが、

今日はどのような話の流れであったのかは忘れましたが、
思わず、

「僕たちの問題は・・・」

と、1人称複数形を使って、僕も仲間であることを伝えてしまいました。

もちろん、彼女は気が付きませんでしたが、

この際ですから、小声で、

僕も精神科のお世話になっていることを伝えました。


アルコール依存症であることは伝えていません。
二十歳そこそこの若者に僕たちの病気を短い時間で十分に理解してもらえるとは思っていません。


しかし、ホンマに「僕たち」という言葉が無意識に口をついて出てしまいました。

僕としては、
精神に弱さを抱えていることが決して特別なことでも、
社会的に問題視されるべきでもないことを伝えたかったんだと思います、潜在意識の中で。


多分、少し驚かせてしまったとは思います。

でも、若者は必要以上に自分を責めてしまいがちですので、
少しでも共感的にかかわることができますよというメッセージとして、
僕の言葉が伝わってくれればいいかなと思っています。


僕たちはお互いに助け合えばいいんです。
みんなの誰かのために慣れるし、
みんな誰かのおかげで生きています。

きっとそれだけのことだと思いますよ。


ということでいつものように

皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWoA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。