僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

未成年の娘に告ってもうた

飲酒歴40年、断酒歴7年と4カ月、不良初期高齢者、リスボン、レベル64。

本日もリスボンの、これももしかすると僕たち当事者の責務・ノープランブログ、

ご訪問ありがとうございます。

 

未成年の女性に告ってしもうたという、

殆ど犯罪的な事案のようなタイトルですが、

割と真面目な話です。

 

昨日のことです。

 

毎週、水曜日の午後に、一人の女子学生を相手に、英文講読の個人指導を行っています。

僕の勤務する大学はどうしても小規模校なので、

学生側から見た時の時間割の自由裁量度が低くなってしまいます。

例えば、僕の担当する英文講読の授業の履修を希望しながらも、

必修科目との兼ね合いで、どうしても履修登録ができないという学生が現れます。

 

僕はそんな学生には、本人からの申し出があり、そして互いのスケジュール調整が可能な場合は、

ある意味でモグリというか非公式の形になりますが、

個人指導を行っています。

 

今年もそんな熱心な学生と出会いまして、

写真を専攻している彼女のために、

とある写真集の解説文をテキストに二人だけの勉強会を行っています。

非公式のこの授業は、ほとんど僕の業績評価の対象にはなりませんが、

しかしやる気のある若者の成長を助けるという僕たちの仕事の本筋中の本筋であり、

正規の授業と同じくらい、あるいはそれ以上に気合を入れて取り組んでいます。

 

 

で、タイトルの件なのですが、

彼女との自主ゼミの中で、僕がコリアン・ディアスポラであるという話をしました。

そしてコリアン・ディアスポラとしての自覚に至った話をする中で、

僕自身の一番大事なアイデンティティー表明である、

アルコール使用障害についても、話しました。

 

相手の彼女は、まだ2年生、未成年です。

未成年の女性に、アルコール使用障害当事者であることを告白し、

そしてアルコール使用障害をはじめとする薬物使用障害について語ること、

これは、考えようによっては、好ましくないことかもしれません。

 

でも僕は、この女子学生の明るいキャラクターと、写真という芸術表現に対する熱意、

そして知的な好奇心にあふれている点を考えて、

僕にとっての大きな人生のテーマについて語ってよい相手であると判断しました。

 

恐らく、彼女は僕の告白に驚いたことだと思います。

しかし彼女は、僕が精神疾病とともに暮らしていることについて、

僕の経験値の高さを表すパラメーターとして受け取ってくれたようです。

 

彼女の僕に対する見方は、恐らくあまり変わることはないでしょう。

英語をはじめとして、いろいろなことを伝えてくれる、表向きは教師、

その実、やたらとおもろいオッサンであり、利用できる人生の先輩としてみてくれると思います。

 

以前に、僕たちの疾病について若者たちに伝えるべきかどうか悩んでいることを報告しました。

でも最近、少しづつですが、

ホンマに真面目に取り組んでいるホンマのことは、

隠すべきではないと思えるようになってきました。

僕たちがアルコール使用障害になってしまったことには、

ネガティブな面もいっぱいあります。

でも、アルコール使用障害と仲良く共存していることについては、

まさに生きていることそのものの経験として、

誇りをもって語っていいと思います。

 

今日も神様に感謝しながら、厚かましく元気です。