僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

マッケンジー・ソープさんに

ディスレクシア難読症、知的発達遅滞がないにもかかわらず、文字の読み書きだけが困難になる発達障がいの一つ)でありながら、画家として活躍しているマッケンジー・ソープさんの展覧会に行ってきました。
 
ソープさんの作品は、はっきり言えば、売り絵であり、作品そのものに対しては、あまりそそられることはなかったのですが、会場で行われていた、ソープさん自身によるサイン会は、なかなかの見ものでした。
 
カタログを買った人だけが、サインをもらえるのですが、その時に、自分の名前をメモに書いてソープさんに渡すと、ソープさんがその文字を見よう見まねで書いてくれるのです。
 
ディスレクシアのソープさんが、一生懸命、漢字をマネして書いているのを見るのは、かなり興味深い体験でした。
ソープさんは、見本の漢字を、やはり僕たち日本人とは違った形で認識されていました。
 
漢字を書くのはどんな感覚ですか、とお聞きしたところ、漢字は世界中の文字の中でも、最も美しい形の一つだということで、おそらくは、抽象的な記号形態のように感じてられるのでしょう。
 
お話しされるときのソープさんは、何の発達障がいをも感じさせない、知的な魅力にあふれた方でした。