僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

僕の飲酒人生、依存症、そして肝硬変発症に至るまで(3)

すでにこの時点で、通常、許される範囲の2倍以上の飲酒を恒常的にたしなんでいた僕、
57歳は早かったにしても、やがては依存症も肝臓障害も発症していたでしょう。

ただそのような、極めて客観的にも思いを致すようなことができる予想を、僕は真剣に考えることは、殆どありませんでした。

毎年の健康診断においても、驚異的なガンマの数値が示されていました(最高で1900)。
そして必ず、医療機関の健診を受けるように、という別冊を頂戴していましたが、10数年間、無視し続けました。
どうせ医者に見せても、「アルコールを控えた方がよろしいでしょう」、或いは「この際におやめになったらいかがですか」という、とてつもなくまっとうな、でも、専門の医者でなくてもそのくらいのことは分かっとるわい、という忠告をいただくであろうことが、簡単に予想できたからです。

医者に言われて止めるくらいなら、最初から飲めへんわい、と、根拠のない全くの大ウソつきの強がりで、生きてきました。

実際僕は、飲酒のせいで体調不良に陥ったことがなかったのです。
40代になると、二日酔いもしなくなりましたし、50台に突入してからは、ウォーキングを趣味とするようになり、健康であると錯覚していました。

52歳の時に経験した、仕事がらみの2週間のイベリア半島一人旅も、全く問題なく、こなしました。
現在と異なり、円高だったこともあり、夕方からのストリート・テラスでのビール、安くて美味かったなぁ。

そんな風に酒とうまく付き合っていた(つもりの)僕に、徐々に変化が現れるようになりました。

(続きます)