僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

におい 食 ライフスタイル

今年もアル症と肝硬変、うまく付き合っていきましょう、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、独断と偏見・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

昨日(1月1日)は、普段とは少しばかり異なる生活を送りました。

元旦だから平日とは違うでしょ、と言われそうですが、そういう違い方でもないんです。

いつもは、コミュニケーションとディスコミュニケーションが入り混じってはいますが、
嫁はん、長男と3人でいます。
長女はバイトの関係で下宿先です。

昨日は、この組み合わせではなく、僕の親父、そして弟という、おっさん3人組で過ごしました。

墓参りを済ませ、スーパー銭湯に行き、寿司を食い、散歩をし、焼肉を食う。

これでほぼ1日が終わりました。

なぜ、この過ごし方に家族たちが参加しないかというと・・・

いろいろあります。
ザクっとまとめてしまえば、民族性の違いにルーツを持つであろう、生活感覚の違いだと思います。

ま、そこまで大げさに言わんでも、最後の焼肉、ここにヒントがあります。

焼肉、もちろん、完全に本場のものではありませんが、やはり韓国風です。

僕は元々、在日の家に生まれたこともあり、
韓国料理、ないしは韓国風料理は僕のソウルフードのはずです。

そして韓国料理は、他のアジアのエスニック料理と同じく、
香辛料とニンニク、そしてごま油が味や香りの基本になります。

もしこれらの素材からもたらされる味覚や匂いが、食事の時の一時的な現象にとどまるのであれば、
嫁さんを始めとする僕の家族の他のメンバーもそれほど気にはしなかったでしょう。

しかし、韓国料理の、特に匂いは、住空間そのものに染み付いてしまう強烈さがあります。
そしてその主張は、好きな人にとっては、たまらないものでしょうが、
一度嫌悪感を覚えるや、匂いである以上、全方向的空間性を発揮するがゆえに、
許しがたい存在となります。

初めてソウルを訪れた時に、街中がこの匂いで満たされていることを知り、涙が出そうになりました。

おそらく朝鮮半島の文化の中に、互いに主張し合うことをよしとする精神性は強く認められそうです。

一方、僕のパートナーは、
おそらく日本の中でも最も自己が表に出ることを嫌う文化地域(と僕が勝手に思っている)の出身なんです。

僕のパートナーの実家の皆さんの個性なのかもしれませんが、
僕は結婚以来、何度か嫁はんの実家にお邪魔した時に、
言いようのない気持ちの上のギャップを感じてきましたが、
おそらくそれは、
わしが、わしが、と前に出ようとする韓民族文化と、
わしはできる限り隠しておこうとする日本の一部の文化のぶつかり合い、
そんなようなものが根底にあったような気がしています。

1日の最後の会食が韓国風の焼き肉であること、
僕の親父の感覚では、これこそがみんなが楽しめる食事と信じて疑わないのですが、
嫁はんにしてみると、脂っこいは、にんにく臭いは、で、あまり楽しめない食事なのですね。

では親父に少し冒険してもらって違う食事のパターンにすれば良いのでは、とも思われるでしょうが、
いざ、違うものを食べると、決まって帰り際に「やっぱ、焼肉だな」、
と高齢者特有の偏見普遍化パワーで結論付けることになります。

日本は島国ですから、本格的な文化衝突を経験することは決して多くはない。
一方、朝鮮半島から日本に渡ってきた漢民族の子孫たちも、
日本化しながらも独自の文化を作ってきました。

お互いを尊重しましょう、綺麗事を声高に言うのは簡単です。

でも、臭いという、全方向的空間的暴力官能はね~。

なかなか大変ですよ、特にうちの嫁は、異常に鼻がきくもので。

島国根性と、暑かまエスニック魂、身近なところでぶつかっています。

現実的な落としどころを探ることでよしとしましょう。

エスニック・クラッシュはさておき、皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。