僕のワンノートサンバ

断酒ライフを送る元大学教師にしてジャズ・ピアニスト、ヴォーカリスト

また一人

1週間前には病院にいたんです、アル症と肝硬変、リスボン、58歳。

本日もリスボンの、自分勝手・ノープラン・ブログ、ご訪問ありがとうございます。

また一人、ヴィルトーゾ・ミュージシャンがこの世を去りました。
アル・ジャロウ、76歳だったそうです。

新聞等では、グラミー賞を何回か受賞したアメリカのジャズ歌手、といった紹介がなされていますが、

僕たちの感覚では、
ジャズ・ヴォーカリストとしての確固とした実力を有しながら、
AOR等のポップスの文脈でも活躍した、
柔軟な間口の広いミュージシャンであったという印象です。

音程感は抜群に安定していながら、
才気あふれるアドリブと甘いムード・メーキング、
多分、似たようなヴォーカリストはもう現れないでしょうね。
特に、チック・コリアの名曲にアル・ジャロウ自身が歌詞をつけた「スペイン」、
名曲、名演奏として歴史に残るでしょう。

テクニック面でアル・ジャロウに匹敵するのは、
おそらく現役のヴォーカリストとしては、
ボビー・マクファーリンくらいでしょう。

しかしマクファーリンがどちらかといえばクラシックとジャズやポップスの国境地帯で活躍していることを考えると、
アル・ジャロウはポップスとジャズの距離を縮めたという意味で独自のポジションを占めていました。

世の中、バンドのふりをしていながら実態はコンピューターに支配された、
カラオケ・オリエンテッド・ミュージックが全盛ですが、
人間存在としてほんまの実力のあるミュージシャンが少なくなってきている現状、
寂しい限りです。

音楽は人間が演奏するんです。
コンピューターが演奏するものではないんです。

アル・ジャロウの冥福を祈ります。

僕も退院早々ですが、19日、いつものイトーヨーカ堂奈良店で演奏します。
お近くの方、どうぞ冷やかしにいらしてください。
1時と3時、4階のイベント広場、もちろんタダです。

入院中、ピアノが弾けなかったのが辛かった。

さて、皆さんも僕も、今日も明日も、厚かましくも謙虚にかつご機嫌さんで
LWOA Life Without Alcohol 断酒ライフ、継続していきましょう。